キャメロン元英首相が外相に 7年ぶり政界復帰 問題発言の内相解任
- 国際
- 2023年11月14日
英首相官邸は13日、キャメロン元首相(57)が新たに外相に就くと発表した。キャメロン氏は2016年、英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の結果を受け、議員も辞職。7年ぶりの政界復帰に英国でも驚きが広がっている。
この決定は支持率の低迷に苦しむスナク首相による内閣改造の一環。問題発言が相次いだ内相のブラバマン氏は解任。後任には外相のクレバリー氏が就く。
キャメロン氏は05年から保守党の党首を務め、10年に首相に就任。EU離脱には反対の立場だったが、15年の総選挙で「国民投票をする」と公約。国民が離脱を選んだことから、キャメロン氏は16年7月に首相を、同年9月には議員を辞めていた。
ブラバマン氏は前トラス政権でも一時内相を務めたが、「方向性に懸念がある」として辞任。一部の保守党支持者から人気があり、首相になったスナク氏が起用していた。
ただ難民条約を「時代遅れ」と批判したり、ホームレスの人びとについて「ライフスタイルの選択」と述べたりするなど、物議を醸す発言が相次いだ。また、パレスチナ連帯デモをめぐり、英紙タイムズへの8日付の寄稿で「警察幹部はデモの参加者を特別扱いしている」と主張。この寄稿が首相官邸の許可を得ていなかったことも明らかになっていた。
英国では来年にも総選挙があるとみられているが、各世論調査によると、スナク氏率いる保守党は、最大野党・労働党に支持率で20ポイント前後の差をつけられている。(ロンドン=藤原学思)
朝日新聞デジタルより転用
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