旧統一教会 被害補償に100億円拠出の意向 「不安払拭のため」
- 政治・経済
- 2023年11月7日
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が、献金被害を訴えている元信者らに被害補償が必要となった場合の原資として、最大100億円を国に預ける意向であることが、教団への取材で判明した。7日に記者会見を開き、表明する。教団は10月に国から解散命令を請求されており、命令の確定や、新たに議論が進む財産保全に関する法規制を避ける狙いがあるとみられる。
教団広報局によると、最大100億円の拠出は「被害を訴えている方々の不安を払拭(ふっしょく)するため」としている。解散命令の確定前に教団の財産を保全する措置は十分になく、「海外に流出させたり、隠匿したりするのでは」という懸念を取り除く目的があるという。
被害補償を巡っては、全国統一教会被害対策弁護団が既に124人分として39億円の支払いを教団に求めている。個別の申告や交渉もあり、文部科学省によると、訴訟や訴外交渉での和解により、解散命令請求時点で被害認定は1550人の計204億円に上る。
7日に田中富広・日本法人会長らが会見で今後の対応方針を説明する。田中会長の会見は昨年の7月と8月以来で、解散命令請求後は初めて。教団関係者は「世間を騒がせたことへのおわびというか反省の意を示す」としており、被害者らが求めてきた法的責任を含んだ形での「謝罪」には至らないとみられる。
弁護団事務局次長の阿部克臣弁護士は「まずは被害者や弁護士と向き合って話をすべきで、いきなり『国に託す』というのは筋が違う」と指摘。「教団の資産は数百億~1000億円とされ、この程度であれば活動に支障がないと判断したのだろう」と話した。【春増翔太】
毎日新聞より転用
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