旧統一教会解散請求に教団幹部は大慌て…どうなる?総資産1000億円の行方
- 政治・経済
- 2023年10月14日
安倍晋三元首相銃撃事件から約1年3カ月を経て、法人としての「旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)」の存続が裁判で問われる事態に発展した。
文科省は宗教法人法に基づき、13日、東京地裁に解散命令を請求した。解散命令が確定した場合、教団は宗教法人格を失い、税制上の優遇は受けられなくなるが、活動はこれまで通り継続できる。
今後の焦点となるのが、「1000億円以上」ともいわれる日本教団の総資産だ。現行法では資産保全の手続きができないため、窮地に立たされた教団が片っ端から資産を処分し、現金化して海外に送金するのではという懸念が広がっている。
旧統一教会は6月27日に日本の幹部信者ら1100人を韓国の本部・清平に呼び寄せ、韓鶴子総裁自ら「日本は賠償をしないといけない、日本政府が家庭連合を迫害している」と訴えた。
9月17日には2世信者ら6000人を本部に招き、「君たちは世を救い、日本を救う特攻隊だ」と呼びかけた。参加した2世信者への案内には<先祖解怨祝福を申請される方は韓国へ送金するのではなく、韓国に直接、日本円を持ってきてください>とあり、税関への申請が不要な<100万円未満で申請が収まるように>と書かれていた。
現金化して海外に送金
「全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)」は「日本から韓国への送金は年間数百億円に上り、高額献金問題の要因になっている」と指摘したうえで、今後、「韓国本部への資金流出などで財産隠しを図る可能性は極めて高い」と警戒している。同弁連の渡辺博弁護士がこう言う。
「解散命令の決定が出る前に290ある全国の教会の土地や建物を処分し、社団法人など、関連団体に資金を移すことも考えられます。私が聞いている範囲では、現時点で教団本部には現金が100億円ほどある。そのうち30億円を高額献金被害者との和解金に使い、余った70億円は本部に送金するのでしょう。30億円ぐらい、旧統一教会の資産からすれば大した金額ではありませんから」
とはいえ、教団側は政府が解散命令請求を出せないとタカをくくっていたとみられることから、内部で混乱が生じているという。
「総会長や会長の責任を追及する声も上がったそうです。勅使河原教会改革推進本部長は本部への送金を否定していますが、金融機関も使えなくなったため、直接、持っていくしかない。今頃、慌てているはずですよ。韓鶴子総裁から『韓国に持ってくるように』と言われれば、指示に従わざるを得ませんから」(渡辺弁護士)
解散命令が出たとしても教団の金庫が「カラっぽ」になっていたら、被害者救済に充てることもできない。
日刊ゲンダイDIGITALより転用
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