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ボクシング 那須川天心がプロボクシング2戦目でフルマークの8回判定勝ち ボクサーとして初のKO勝利は逃し「人生はうまくいかないもんだな」


Prime Video Presents Live Boxing第5弾(18日、東京・有明アリーナ)プロボクシング123ポンド(約55・79キロ)契約8回戦が18日、東京・有明アリーナで行われた。キックボクシングから転向し、プロボクシング2戦目の那須川天心(25)=帝拳=が、メキシコ・バンタム級王者のルイス・グスマン(27)=メキシコ=に3-0の8回判定勝ち。2度のダウンを奪いフルマークで完勝したが、プロボクサーとして初のKO勝利は逃した。

大観衆の「天心コール」を背に最後まで攻め続けたが、この試合最大のテーマだった「倒しきる」ことはできなかった。それでもタフなメキシコ王者から左右両方の拳でダウンを奪い進化した姿は見せた。

「成長している姿を見せられた。僕のボクシングへの本気を見せられた。最後の最後がうまくいかない。人生はうまくいかないもんだな」

1回にグスマンの右フックをかわし、少し下がりながらカウンターの左ストレートでダウンを奪う。3回にはカウンターの右フック、左ボディーアッパーをヒット。6回にはラッシュをかけて倒しにいったがダウンを奪えなかった。7回に右フックでグスマンを倒したが、レフェリーはダウン宣告からスリップダウンに変更。しかし、ラウンド間に再度ダウンに変更された。最終8回の試合終了直前にも左ストレートでダウンを奪ったように見えたが、レフェリーはスリップと判断した。

4月のプロボクシングデビュー戦は日本バンタム級2位だった与那覇勇気(真正)に3-0の6回判定で完勝したが、KO勝利は逃した。パンチを〝当てる〟感覚から〝打ち込む〟感覚に意識を変え、パンチが相手に当たった瞬間に拳を返す(少し下方向に向ける)ことができていなかったことを課題とし、元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(39)と改善に取り組んできた。那須川は「動き一つにしろパンチの打ち方にしろ、やっとボクシングになってきた。デビュー戦とは全然違う」と自信を深めて臨んだが、ボクサーとしての初KO勝利は3戦目に持ち越しとなった。

2戦目は〝飛び級〟の8回戦。2度の走り込み合宿を実施。8月に米ネバダ州ラスベガスで約2週間のスパーリング合宿を敢行するなど、この試合に向けて7月下旬から計100ラウンド以上のスパーリングを消化。8ラウンドスパーリングを計5度実施し、初の8回戦を闘うスタミナは証明した。

ノンタイトル8回戦ながら人気と知名度を買われ、ダブル世界戦に挟まれたセミファイナルに異例の抜擢(ばってき)をされた。多くの子供たちが「天心がんばれー」と声援を送っていた。

次戦は来年1月に日本開催で予定されているアマゾンプライムビデオ興行が有力。15歳からの長いプロ格闘家歴を持つが、メキシコ選手との対戦は初めてだった。キックボクシング時代は日本、タイ、南米、欧州選手との対戦が主で、ボクシングで強豪選手が多い、北中米、フィリピン選手らとの対戦経験は少ない。帝拳ジムの本田明彦会長(76)は「これからいろいろな国の選手とやる。次は米国なのかアジアなのか」と今後も世界各国のさまざまなスタイルの選手と対戦させ、那須川を育てていく計画だ。

「最強への道を突き進んでいこうと思う。僕も絶対にチャンピオンになるので、皆も必ず自分のチャンピオンベルトを見つけて人生を歩んでいってほしい」

那須川はらしさ全開のメッセージとともに、世界王者を目指す決意を改めて示した。

興行はアマゾンプライムビデオで独占生配信された。プロ戦績は東洋太平洋スーパーバンタム級8位、日本同級14位の那須川がボクシング2戦2勝、キック42戦42勝(28KO)、MMA4戦4勝(3KO)、MIXルール1戦1勝(1KO)、グスマンが13戦10勝(6KO)3敗となった。

■那須川 天心(なすかわ・てんしん) 1998(平成10)年8月18日生まれ、25歳。千葉・松戸市出身。5歳で極真空手を始める。小5でキックボクシングに転向し、15歳の2014年7月にプロデビュー。15年に16歳でRISEバンタム級王座を獲得。16年にはRIZINに参戦して総合格闘技デビュー。18年にRISE世界フェザー級王座を獲得。昨年6月に武尊に判定勝ちし、プロボクシングへ転向。4月のデビュー戦で6回判定勝ちした。プロ戦績はボクシング2戦2勝、キック42戦42勝(28KO)、総合格闘技4戦4勝(3KO)、ミックスルール1戦1勝(1KO)。左ボクサーファイター。165センチ。

サンケイスポーツより転用


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