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次男ハンター氏起訴、バイデン氏に逆風…海外ビジネス不正疑惑も浮上し「ダブルパンチ」


【ワシントン=田島大志、池田慶太】米デラウェア州の連邦大陪審は14日、銃の不法所持など3件の罪でバイデン大統領の次男ハンター氏(53)を起訴した。現職大統領の子供が刑事事件で起訴されるのは米史上初めてという。来年の大統領選で再選を目指すバイデン氏にとって痛手になりそうだ。

 起訴状では、ハンター氏は2018年10月に銃を購入した際、薬物を使用していないと虚偽の申告をし、銃を不法所持するなどした。ハンター氏はコカイン中毒に苦しんでいることを公表している。

 連邦検察が6月に税未納と銃の不法所持でハンター氏を訴追した後、税関連の罪だけを認めて刑を軽くする司法取引でハンター氏と検察側が暫定合意していた。しかし、7月に見解の違いが表面化し、取引が決裂。司法省は特別検察官を任命し、捜査を進めていた。

 ハンター氏の弁護士は米メディアに「検察官が政治的圧力に屈することは司法制度にとって重大な脅威だ」と述べ、共和党の圧力が影響したと主張した。ホワイトハウスはコメントを出していない。

ハンター氏の起訴で、政権支持率が低迷を続けるバイデン氏は、いっそうの逆風にさらされることになる。

 ハンター氏には、海外ビジネスを巡る不正疑惑も浮上し、野党・共和党はバイデン氏への弾劾(だんがい)調査開始を12日に宣言したばかりだ。今回の起訴と、不正疑惑は政治的ダメージを与える「ダブルパンチ」(米紙ワシントン・ポスト)となっている。

 四つの事件で起訴されながら、共和党指名候補争いをリードするトランプ前大統領は、自らへの捜査に比べ、検察当局のバイデン氏側への追及が手ぬるいと批判を強めている。

 バイデン氏の人気は低迷しており、米CNNの8月下旬の世論調査では、誰が共和党の候補になっても、バイデン氏は互角か劣勢の戦いを強いられる傾向が判明した。経済政策では低水準の失業率を実現するなど一定の成果を上げながら、不人気なのは「高齢」不安が広がっているためだ。現在80歳のバイデン氏が再選した場合、2期目を終えた際は86歳を迎える。CNN調査では、バイデン氏が次の任期を全うできるか疑問視する声は76%に上った。

 一方、民主党にバイデン氏に代わるめぼしい大統領候補がいないのも実情だ。バイデン氏は14日、メリーランド州の演説で「米経済は世界最強だ」と述べ、経済政策「バイデノミクス」の成果をアピールした。

読売新聞社より転用


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