大阪府警取調官「犯人はあなたしかいない」…女性脅迫で無関係男性を誤認逮捕、計42日間勾留
大阪府警が、知人女性をSNSで脅迫したとして無関係の20歳代の男性を誤認逮捕した問題で、男性の代理人弁護士は11日、男性が府警の取調官から「犯人はあなたしかいない」と迫られていたと明らかにした。男性は計42日間勾留されており、「自白を強要されて、精神的苦痛を受けた」として、府に損害賠償を求める訴訟を検討している。
男性は、知人の20歳代の女性をインスタグラムのメッセージで脅したり、女性の性的画像を女性の友人らに送ったりしたとして、今年4~5月、脅迫やリベンジポルノ被害防止法違反などの容疑で、守口署に2回逮捕された。
男性は一貫して容疑を否認し、計42日間の勾留を経て5月23日に釈放された。その後、府警はインスタグラムのアカウントが3月下旬に大阪府北部にあった端末で作成されたと特定。男性がその日時に府内の別の場所で別の知人女性と一緒にいたことが証明され、府警は誤認逮捕だと認め、今月10日に男性に謝罪していた。何者かが男性になりすましていたとみられる。
男性の代理人の森島正彦弁護士(大阪弁護士会)によると、男性は勾留中、取り調べの様子を森島弁護士から渡された被疑者ノートに記録していた。男性は守口署員による取り調べで「犯人はあなたしかいない。正直に話さないと心証悪いぞ」「友達も会社もなくなると思うがどうする?」などと言われ、大阪地検の検察官からも「100%犯人だと思う」と告げられた。
男性は「何を言っても犯人と決めつけられ、信じてもらえなかったことが悔しい」と訴え、府警には「真犯人を見つけてほしい」と要望したという。
森島弁護士は「男性は今も、自宅から車が見えると警察に見張られていると感じることがあり、影響は大きい」と話している。
府警は取り調べについて、「内容の詳細を把握できていない」としている。大阪地検の北岡克哉・次席検事は一連の手続きについて「不適正な点があったとは考えていない」としつつ、「結果的に犯人でない方を勾留してしまったことは申し訳ない」とコメントした。
読売新聞より転用
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