刑務所製せっけん、3倍値で転売も 異例の「制限」で買い占め対策
- 政治・経済
- 2023年7月12日
刑務所で作られたせっけんが通販サイトを通じ、定価の3倍以上で転売されている。汚れがよく落ちると評判のロングセラー商品だが、コロナ禍で生産量が減少して、転売のターゲットになったようだ。販売する公益財団法人「矯正協会」(東京)は購入制限を設け、買い占め対策をとっている。
転売されているのは、横須賀刑務支所(神奈川県横須賀市)で作られている「ブルースティック」。長さ14センチ(150グラム)の固形せっけんで、刑務所作業製品を専門に扱う矯正協会の直営店舗や常設展示場、直販サイトで販売されている。
3本セットで定価は400円(直販サイトは3本組み2個セットで800円)で、昨年度は約4万9千セット(約15万本)売れた。全国の刑務所作業製品の中で、売り上げトップの人気商品となっている。
ところが現在、大手の通販サイト上で3倍以上の最高1300円前後で転売されていることが確認されている。
以前から「泥汚れがよく落ちる」として人気だったことに加え、コロナ禍で刑務所の工場作業が制限されて製造数が減った。そこに転売目的とみられる買い占めも始まり、「キャピックショップなかの」(東京都中野区)には「買えなくて困っている」という声が届くようになった。このため一時期は「1家族2セットまで」に制限、現在でも「6セットまで」としている。
直営サイト(https://www.e-capic.com/)でも「購入は1日1回、1セットまで」と制限している。
定価を超える額での転売について、矯正協会の桜井智・刑務作業協力事業部副部長は、法的には問題がないとしつつ「安い、品質がいい、というのがキャピック(刑務所作業)製品。高値で流通してしまったら、ブランドが損なわれてしまうので認められない」と話す。
朝日新聞社より転用
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