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ヤマトと日本郵政の協業 「2024年問題」に対応 冷蔵便も視野


共同記者会見で撮影に応じる(左から)ヤマトホールディングスの長尾裕社長、日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の衣川和秀社長=東京都千代田区で2023年6月19日午後4時7分、和田大典撮影© 毎日新聞 提供

 宅配便大手、ヤマトホールディングス(HD)と日本郵政グループは19日、メール便と小型荷物の事業で協業すると発表した。ヤマト運輸のメール便「クロネコDM便」、小型荷物の「ネコポス」を新サービスに切り替え、日本郵政傘下の日本郵便が配達する。運転手不足が懸念される「物流の2024年問題」やコスト上昇に対応するのが目的。ヤマトHDと日本郵政が本格的に協業するのは初めて。

“ライバル”同士がサービス統合

 クロネコDM便は企業のカタログなどを配送するサービス。ネコポスは小さな荷物を翌日配送でポストに入れるサービスで、個人客が中心。

 クロネコDM便は2024年1月31日、ネコポスは23年10月から順次、終了し、新たなサービス「クロネコゆうメール(仮称)」「クロネコゆうパケット(同)」に切り替える。荷物はヤマトが集荷し、日本郵便の配達網で届ける。ヤマトは委託料を支払う。

 クロネコDM便とネコポスは、ヤマトが郵便に対抗するサービスとして1997年に始めた「クロネコメール便」が前身。サービス開始から四半世紀を経て、ライバルの郵政に事実上、統合する形となった。

 両社は今後、冷凍冷蔵トラックや郵便ポストの共同利用、ヤマトの「宅急便」の郵便局での受け取りなど、協業分野の拡大を検討する方針。

 19日、東京都内で記者会見した日本郵政の増田寛也社長は「(協業で)物流業界が抱える2024年問題や環境問題などの社会課題の解決を目指す」と述べ、ヤマトHDの長尾裕社長は「持続可能な物流サービスの提供に向けスタートラインに立てた」と話した。

運転手の残業是正で不足する輸送力

 物流業界では、長時間労働などを是正するため、24年4月から運転手の残業時間に年960時間の上限を設ける規制が実施される。

 政府は今月2日に開いた物流の関係閣僚会議で、規制実施に伴い現状より24年度は14%、30年度には34%の輸送力が不足すると指摘。24年度に宅配便の再配達率を現在の12%から6%に半減することなどを柱にした政策パッケージをまとめ、業界にも対応を促している。【道永竜命、道下寛子】

毎日新聞より転用


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