加藤未唯が女子複「失格」を提訴 責任者に動画での確認求めるも「アンラッキーだったね」と一蹴
- スポーツ
- 2023年6月7日
◆テニス ▽全仏オープン 第9日(5日、パリ・ローランギャロス)
女子テニスの加藤未唯(28)=ザイマックス=が5日、4日の女子ダブルスで失格になったことを不服とし、4大大会側に提訴したことを明かした。ティム・プッツ(35)=ドイツ=と組んだ混合ダブルスで準決勝進出を決めた試合後の会見で「危険な行為」には該当しないなどと主張した。男子シングルス4回戦で、第27シードの西岡良仁(27)=ミキハウス=は、世界ランキング49位のトマスマルティン・エチェベリ(23)=アルゼンチン=に敗れ、自身初の4大大会8強入りを逃した。
ボールガールに球を直撃させて失格となった女子ダブルス3回戦から一転、加藤は同じコートで悔しさを晴らす混合複4強入りを果たした。「試合を最後までできた。(人々が)私を見かけたら声をかけてくれた。それもうるっときた」。温かい「加藤」コールが起きる中、涙があふれ出た。
失格となった日は、コートを去った後も涙が止まらず、食事はなかなか喉を通らなかった。心を解きほぐしたのは「いい思い出をつくって前日の出来事を忘れてほしい」と願った混合複のパートナー、プッツ。優しく声をかけ、加藤の瞬発力が最大限に生きる前衛で活躍できるように後方から組み立てた。相棒の支えに、加藤は「選手として目の前の試合をただやろうと心がけた」と集中。得意のボレーもさえ、1月の全豪を制した強豪ペアを破った。
試合後の記者会見で加藤は、失格を不服とし、4大大会側に提訴したことを明かした。4日の試合では、加藤がポイント間に相手コート側に送った球がボールガールを直撃。危険な行為とみなされて失格になった。だが、加藤は故意ではなく「危険な行為」には該当しないなどと主張。強い球を当てたわけではないとの認識で、大会の運営責任者に動画の確認を求めたが「ビデオを見ることはできない。アンラッキーだったね」と突っぱねられたという。
一度は警告を言い渡されながらも対戦相手が主審に抗議し、判定が変わった点にも不満を示し「納得がいっていない状況」と語った。他選手らからも失格を疑問視する声が相次いでいる。会見で涙を流し、憔悴(しょうすい)した様子だった加藤は行為自体については「故意でないにしても彼女に当たったのは事実。それだけは謝りたかった」。ともに戦ってきたパートナーのアルディラ・スーチャディ(インドネシア)にも「申し訳ない」と謝罪した。
「悪いことはしていない」 〇…加藤組の対戦相手の一人だったサラ・ソリベストルモ(スペイン)が5日、「私たちは主審のところに行き、何が起きたかを説明しただけ。悪いことはしていない」と反論した。主審に抗議し判定が変わったことでSNSなどでは猛批判を受け「このようなことを言われるのはつらい。(失格は)全て運営責任者が決めたこと」と嘆いた。加藤組の失格により進んだ6日の女子ダブルス準々決勝では、マリエ・ブズコバ(チェコ)と臨み、ストレートで敗れた。
スポーツ報知より転用
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