田中希実「戸惑っている暇があるなら目指すべき」 世界見据える走りで日本選手権1500M4連覇
- スポーツ
- 2023年6月3日
後続を引き離してゴールする田中希実(手前)(カメラ・岩田 大補)© スポーツ報知/報知新聞社
◆陸上 ▽日本選手権 第2日(2日、大阪・ヤンマースタジアム長居)
女子1500メートル決勝で、日本記録保持者の田中希実(ニューバランス)が4分8秒29で4連覇を果たした。同種目での4連覇は、2006~10年大会を5連覇した吉川美香(パナソニック)以来、史上2人目となった。
残り2周で先頭に立ち、そのまま独走。「私が出なかったら誰も出ないので、自分だけのレースに集中することが大事。その中で、ラスト800にこだわろうと決めてスタートラインに立った」と想定通りの場所でギアを上げた。「世界ではラスト800から動く」と、世界の舞台を見据えた走りで「完全に足が止まることなく、最後まで駆け抜けることはできたし、最後まで自分の走りを見失わなかった。ここに勝負が絡んだときにどうか」と振り返った。
2度の合宿で、心身ともに整えて臨んだ結果だ。5月21日のセイコー・ゴールデングランプリ横浜前と、今大会の直前まで、岐阜・御嶽山で合宿し、「幼い頃から慣れ親しんだ場所で集中してトレーニングできた」。特別な練習を積んだわけではないが、「私の場合は精神面がすごく大きく左右する。慣れ親しんだ環境で集中できたのが心の安定につながった。練習もすごくできたというよりは一つも外さなかったのが、自分にとって大きい。余裕を持って外さずにできた」といい、攻めのレースにつながった。
「今までは世界を目指して良いのかな、まだ全然ともなっていないと、足踏みしていた。そこで戸惑っている暇があるなら、届かなくても目指すべきだなという走りはできた」と田中。タイム以上の手応えを世界につなげるつもりだ。
報知新聞社より転用

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