宅配大手3社、3月期決算の営業利益が減益…「荷動きの伸び鈍化」「コスト増加」
- 政治・経済
- 2023年5月16日
日本郵便の本社が入ったビルに掲げられた看板© 読売新聞
宅配大手3社の2023年3月期連結決算が15日出そろい、本業のもうけを示す営業利益は全社が減益となった。人件費やトラック燃料費の膨張が響いた。電子商取引(EC)に陰りが出ており、運転手不足が深刻化する「2024年問題」への対応も急務と、先行きの不透明さが増している。
ゆうパックを手がける日本郵便が15日発表した郵便・物流事業の営業収益は、前期比2・1%減の1兆9978億円、営業利益は同67・8%減の328億円だった。コスト増加が響いたほか、他社との競争激化や郵便の需要減で配達個数が3・4%減ったことも打撃となった。
費用増が利益を圧迫する構図は各社共通だ。ヤマトHDの営業利益は前期比22・2%減の600億円。SGHDの営業利益も同13・1%減の1352億円だった。「22年度後半から物価上昇の影響などで急速に(荷動きの)伸びが鈍化した」(SGHDの川中子勝浩取締役)という。同社は保有株式の売却益を計上した関係で最終利益は増益となったが、他の2社は前期を下回った。
24年3月期はヤマトHDを除く2社が減益を見込む。物価高に伴う消費低迷、客足の店舗回帰でECに陰りが出るためだ。一方、24年問題に対応するには、「適正な対価を支払い人材を確保していく」(ヤマトHDの樫本敦司・常務執行役員)必要があり、一段のコスト上昇も懸念される。
読売新聞より転用
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