WHO、新型コロナ緊急事態を解除へ テドロス事務局長が表明
- 国際
- 2023年5月6日
世界保健機関(WHO)本部=2021年12月2日、スイス・ジュネーブ© 朝日新聞社
世界保健機関(WHO、本部スイス・ジュネーブ)のテドロス事務局長は5日の記者会見で、新型コロナウイルスをめぐる世界の現状について、3年前に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を解除する方針を明らかにした。
WHOは2020年1月30日、中国・湖北省武漢市で新型コロナによる肺炎が集団発生し、国外でも感染が拡大していることを受け、「緊急事態」を宣言した。感染が国境を越えて広がり、拡大防止に国際的な緊急の対応が必要な場合に出されるもので、6例目の宣言だった。これにより、WHOは各国に対し、感染拡大などを防ぐための勧告を出せるようになった。
それ以降、WHOは専門家でつくる緊急委員会が約3カ月ごとに、国際的な感染状況が緊急事態に該当しているか否かの検討を重ねてきた。テドロス氏は今年4月6日の記者会見で、専門家の助言を尊重する意向を強調したうえで、「年内に解除できるようになるだろう」との見通しを示し、今月4日には通算15回目の緊急委が開かれていた。
WHOの集計では、今月3日時点で、新型コロナにより世界で約7億6500万人が感染し、692万人以上が死亡した。世界全体でみると、最近の感染者数や死者数は、以前よりも低水準の状態が続いている。(ロンドン=金成隆一)
朝日新聞社より転用
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