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池江璃花子 学業でも〝根性〟見せていた! 白血病、コロナ禍でも3年で全単位取得…恩師が証言


競泳の日本選手権初日(4日、東京アクアティクスセンター)女子100メートルバタフライで、池江璃花子(22=横浜ゴム)が57秒68で優勝した。派遣標準記録(57秒92)を突破し、世界選手権(7月、福岡)代表に内定した。一昨年の東京五輪はリレーで出場したが、2019年2月に白血病を発症後は個人種目での日本代表入りは今回が初めて。3月に卒業した日大でゼミの指導教員を務めた原怜来氏は、数々の壁を乗り越えてきた池江のブレない〝信念〟を明かした。

目にはうれし涙が光っていた。序盤はライバルたちにリードを許す展開だったものの、ゴール直前で逆転。「タッチした時は、自分が一番だと思っていなかった。とにかく優勝できたことが一番うれしかった」。思わず感情があふれ、拳で水面をたたいて喜びを表現した。  

昨年は世界選手権の代表切符を逃し「この1年間頑張ってきたのになんでだろう…」と大粒の涙を流した。今年に入っても「昔みたいな自信は全くない」と弱音を吐いたこともあった。病もあり、決して順風満帆だったワケではない。しかし、どんな時でも常に〝世界〟を意識してきた自負がある。 「自分は池江璃花子。本来だったら誰にも負けない」。逃げすに戦い続けてきたからこその結果だった。  

壁にぶつかっても、努力を怠らない。それこそが池江の〝スゴさ〟だ。原氏は池江を「頑張り屋さん」と評するが、それは競技だけでなく学校生活からも垣間見えた。  

日大は卒業にあたり、4年間で124単位の取得が必須。ところが、池江は白血病の影響で1年間を棒に振った。それでも、残りの3年間で卒業することを目標に掲げた。新型コロナウイルスが大流行する直前の20年2、3月頃は、授業がない中でも原氏の研究室で勉強。原氏は「コロナですぐにストップしてしまったけど、いろんな課題をもらって、再履修を受けるとしても『勉強しないとたぶん追いつけないから』と言って勉強していたイメージがある」と当時を振り返る。  

1年間の単位取得数は44上限。池江が日大を4年で卒業するには、毎学期ほぼ全ての単位を取得する必要があった。だが、日大側は池江を特別扱いしなかった。授業への出席はもちろん、他の生徒と同様にレポートも書き上げた。  

原氏は「すごいいいものかと言われると、そうではなかったかもしれないけど、頑張っていた。単位をあげられるレベルには来ていた」と回想。4年時は周囲が単位を取り終えた中でも、1人で学校に行き授業を受けることもあったという。  

自身の目的地に向けて歩みを止めない姿勢は、いかなる場面でも変わらない。目指すは世界トップレベルのスイマーだ。「世界にチャレンジするという意味では、すごく大きな一歩を踏み出せた」。不屈のスイマーによる新章がついに始まった。

東スポWEBより転用

東スポWEB

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