ホンジュラス、中国と国交樹立の観測 台湾は反発
- 国際
- 2023年3月25日
【ニューヨーク=平田雄介】中米ホンジュラスが近く中国と国交を樹立し、台湾と断交するとの観測が出ている。ホンジュラスのカストロ大統領が手続き開始をレイナ外相に指示。レイナ氏が22日、訪中へと出発した。台湾がホンジュラスと断交すれば外交関係を残すのは13カ国に減る。台湾の外交部(外務省に相当)は23日、駐ホンジュラス大使を召還すると発表するなど激しく反発している。
2022年1月27日、中米ホンジュラスを訪問しシオマラ・カストロ新大統領(右)とあいさつを交わす台湾の頼清徳副総統 (ロイター)© 産経新聞
中国外務省の汪文斌(おうぶんひん)報道官は23日の定例会見で「平等と相互尊重を基礎にホンジュラスと関係を樹立させる用意がある」と述べた。レイナ氏の訪中期間中に国交樹立に向けた動きがあるとの見方が強まっている。
中南米でパナマやニカラグアなどが台湾と断交し、2016年の蔡英文政権発足時に22あった台湾と外交関係を持つ国は現在14に減った。ホンジュラスの左派カストロ政権は対中国交樹立を公約としていた。
こうした国が中国に傾く理由の一つが「財政難や債務の問題」(レイナ氏)とされる。中国からの経済支援や債務の返済条件などを巡り、中国に引き寄せられる途上国は少なくない。ホンジュラスが多額の経済支援を台湾に求めたと一部メディアで22日に伝えられると、ホンジュラス側は直ちに否定した。
一方、ロイター通信は22日、消息筋の話として「中国は当初、今年後半に(ホンジュラスと国交樹立へ)動く予定だった」と伝えた。計画が前倒しされたのは、台湾の蔡総統の「海外訪問」が理由だという。
蔡氏は29日から4月7日まで米国経由でホンジュラスの隣国グアテマラやベリーズを訪問する。台湾の呉釗燮外交部長(外相)も23日、立法院(国会)で、レイナ氏の訪中が「偶然のタイミングには見えない」と述べ、中国が蔡氏の外遊に対抗してホンジュラスに台湾と断交させようとしているとの見方を示した。
産経新聞より転用
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