ファンの気持ちを台無しにするネビン監督の「大谷選手の投手起用」への発言【AKI猪瀬コラム】
- スポーツ
- 2023年3月14日

アリゾナとマイアミでも1次ラウンドが始まり、いよいよ第5回WBCが本格的に開幕しました。マイアミでは優勝候補本命のドミニカ共和国がベネズエラに敗れ、アリゾナではドリームチームと称される米国がメキシコに大敗するなど、大波乱が起きています。
降板する米国・マルティネス(AP)© 中日スポーツ 提供
ベネズエラの勝利の陰の立役者は、アストロズでコーチを務めるロペス監督の采配でした。3対1のリードで迎えた5回、同監督は3番手としてエース格のガルシア(アストロズ)を投入しました。ベネズエラとしては、第2戦以降のために温存したかった場面でしたが、強敵ドミニカ共和国に勝利する可能性が出てきた瞬間、ちゅうちょなく投入しました。
一方の米国は、このコラムで書いたようにドリームチームの野手陣とは対照的な投手陣の貧弱さが早くも露呈してしまいました。大敗後、デローサ監督は、「大会連覇に向けて最善の努力をしていく。しかし、最も大切なことは選手の体調管理。キャリアを危険にさらすような故障をさせるわけには、絶対にいかない」とコメントしました。
一流選手がそろう米国は、メジャーのロースター枠に入っている選手全員が、何かしらの制約を抱えてプレーしています。投手なら所属チームから「投球回数や登板試合数の制限」があり、野手なら「大会期間中に最低でも15打
何かしらの制約に基づいての選手起用が続いていくことになるでしょう。
大谷選手の投手起用についてエンゼルスのネビン監督の発言がありました。メディアに対して所属チームの監督がコメントすることは、暗黙の紳士協定に違反します。
大谷選手の二刀流を望んでいる世界中の野球ファンに対し、今回のネビン監督の発言は最悪の勇み足になりました。仮に準々決勝が最後の二刀流になったとしても、「打者・大谷」で侍ジャパンの覇権奪還に大きく貢献してくれるはずです。
それにしても、ネビン監督の発言は、「米国での準決勝もしくは決勝戦で投手大谷対トラウト」の対決を望んでいたファンの気持ちを台なしにしてしまいました。
中日スポーツより転用

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