沖縄のコストコ、開業遅れナゼ?直面した78年前の爪痕「不発弾」 #昭和98年
- 政治・経済
- 2023年2月27日
スパム、キャンベルスープ…。沖縄県内のスーパーには、アメリカ文化の名残を感じる品々が並ぶ。そんな沖縄に、国内外で人気の会員制の米系大手量販店「コストコ」が進出する。開業予定地は、沖縄本島南部の東海岸に位置し、市の地形がハートの形をしていることから「ハートのまち」の愛称をもつ南城(なんじょう)市。開業への期待や注目も高まる中、2022年末「開業延期」のニュースが飛び込んできた。原因は「不発弾」。78年前の沖縄戦で日米両軍によって打ち込まれ、いまだ地中に眠る爆弾だ。
「やはり出たか…」
コストコは当初、開業は2023年秋の予定だった。しかし造成工事の途中、5発の不発弾が見つかった。 「やはり出たか…という感じでした」。
コストコ社の広報担当者は不発弾が見つかった時のことをこう振り返った。「沖縄という場所柄(不発弾が)出るかもしれないということはある程度想定していた」(コストコ社広報)という。
22年11月に南城市で開かれた住民説明会では、開業時期が当初の予定からずれ込み、24年夏を目指すことが報告された。
その後、予定地では新たな不発弾は見つかっていない。もし見つかった場合の対応について、コストコ社広報は取材に対し「現時点で予定の変更はないが、今後見つかることがあればしかるべき対応のため、必要であれば予定の変更の可能性はある」と回答を寄せた。
撤去に「100年かかる」とも
今回の予定地だけでなく、沖縄ではさまざまの工事のタイミングで、不発弾が見つかっている。発見された不発弾は、自衛隊によって回収され処理されるが、そのため周囲地域が交通規制や住民避難となることも珍しくない。
沖縄に残る不発弾全てを撤去するには約100年かかるとも言われている。ことしは「昭和」で数えると98年。「昭和98年」となる2023年のいまも、昭和の戦争の痕跡が沖縄の開発に影を落としている。
琉球新報より転用
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