楽天モバイルの委託先、70億円所得隠し 基地局整備めぐり国税指摘
- 政治・経済
- 2023年2月3日
携帯電話の基地局整備をめぐって楽天モバイルが取引先から不正に水増し請求をされていた問題で、同社の業務を委託されていた運送会社「TRAIL(トレイル)」(東京都港区)が東京国税局から70億円超の所得隠しを指摘されたことが関係者への取材でわかった。追徴税額は重加算税を含めて約30億円。TRAILの社長が楽天モバイルの元従業員=懲戒解雇=らとともに、不正に浮かせた資金を分け合うなどしていたとみられる。
朝日新聞はTRAILや同社社長に取材を申し込んだが、2日までに回答がなかった。同社の関係者も取材に「コメントできない」としている。民間調査会社などによると、同社は2022年3月期時点で負債額が54億9900万円に達し、破産手続きを申し立てる見通しだという。
関係者によると、TRAILは14年の設立。基地局整備事業では、建設部材の保管などを担った物流会社「日本ロジステック」(東京都千代田区、民事再生手続き中)から部材の輸送などを受注した。一部の輸送業務などについては、さらに複数の下請け業者に委託していた。
東京国税局はこの取引などをめぐって税務調査を実施。22年3月期までの3年間で、下請け業者に対して業務委託名目での経費を支払ったように装ったり、外注費や配送費を水増ししたりしていたことが判明したという。同局は、会社の利益を圧縮するための行為で、法人税や消費税を意図的に少なく申告していたと認定した模様だ。
朝日新聞社より転用
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