大阪府警に「なれ合い体質改めよ」 不祥事続き、専門家警鐘
大阪府警淀川署の男性警察官2人がパトカーで巡回中に一方通行の道路を逆走したにもかかわらず上司に報告せず、交通違反をもみ消していたことが府警関係者への取材で明らかになった。2人は違反直後に車内で協議し、証拠の隠蔽(いんぺい)を計画。逆走の様子を捉えた車載のビデオカメラ映像を実際に消去していたことが判明した。
大阪府警本部庁舎=大阪市中央区で2017年2月25日、加古信志撮影© 毎日新聞 提供
警察官が自らの交通違反を隠蔽する新たな不祥事が明らかになった。府警では1週間前、殺人事件の容疑者が留置場で自殺した問題で福島署長ら計18人が処分されたばかり。後を絶たない失態に、専門家は「警察特有のなれ合い体質を改めなければ不正は根絶できない」と警鐘を鳴らす。
府警では2022年、警察官7人が飲酒運転や盗撮などの疑いで逮捕されている。枚方署長だった男性警視(依願退職)による複数の部下へのセクハラやパワハラなど、幹部警察官の不適切行為も表面化している。
容疑者の自殺問題では、留置管理を担当する福島署員が巡回や点検で虚偽報告を繰り返していたことが判明。一部の点検簿が偽造されていたことも発覚し、署留置管理課の男性警部補ら3人が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検される事態に発展した。
組織論に詳しい同志社大政策学部の太田肇教授は「警察は連帯感や団結力が強い。組織の強みでもあるが、過剰な仲間意識は逆に作用すると身内に甘い体質を生みやすい」と分析。「組織の論理や上司の命令に流されず的確に状況判断し、プロ意識に徹した警察官を育てていくしかない」と語った。
毎日新聞より転用
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