日産・ルノー、交渉難航 EV特許巡り駆け引き激化
- 政治・経済
- 2022年11月14日
日産自動車と仏自動車大手ルノーの提携見直し協議が難航している。
電気自動車(EV)の特許を巡り、権利の取り扱いなどで双方の駆け引きが激化。主張の隔たりは、積年の課題だった資本関係見直し交渉の遅れにもつながっている。
関係者によると、両社と三菱自動車は当初、15日にも新たな提携の枠組みを発表する計画だった。日産にとっては、ルノーからの43%の出資比率を日産からルノーへの出資と同じ15%に引き下げ、不平等を解消することが悲願。時間のかかる特許交渉と切り離し、先に資本関係の見直しを打ち出す考えだった。
一方、ルノーは2023年後半にEV新会社の上場を目指す中、日産と三菱自の出資が喫緊の課題。複雑な特許交渉を伴うEV新会社への出資協議が、資本関係の見直しと「セットになった」(日産幹部)ことで、合意は先送りとなった。
特許交渉には、過去の権利に加え、航続距離を延長するカギとされる「全固体電池」の将来価値なども含まれる。ルノーのEV事業には米グーグルやクアルコムも参画、交渉は難しさを増す。日産は全固体電池の開発で先行するが、ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者は「われわれもEV特許は持っている」と強気の姿勢を崩さない。
ただ、日産の内田誠社長は「ビジネス上のコモンセンス(常識)で論議する」と強調。デメオ氏も「(結論の出ない)『宗教論争』をしているわけではない」としており、提携関係維持では「同じ方向を向いて協議している」(日産幹部)。デメオ氏は8日の説明会で「数週間以内に3社で発表する」と自信を示した。
時事通信より転用
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