「殺すぞ」「アホか」 奈良税務署幹部が女性税理士に暴言、暴力
大阪国税局奈良税務署(奈良市登大路町)の副署長だった50代男性が9月中旬、近畿税理士会奈良支部との懇親会で、女性税理士に「殺すぞ」などと暴言を繰り返し、背中や肩を平手でたたく暴力も振るっていたことが関係者への取材で判明した。男性は泥酔状態だったとされ、「酒に酔っていて不適切な言動に及んだことを全く覚えていない」と話しているという。
男性は問題発覚後、大阪国税局総務部付に異動した。国税局は近く、男性を国家公務員法違反で処分する方針だ。
関係者によると、懇親会は9月12日夜に奈良市内で開催され、約20人が参加した。奈良税務署側は署長も出席していた。男性は懇親会の開始から間もない午後6時ごろ、隣の女性税理士と確定申告の業務について会話していた最中にからみ始めた。相当量の日本酒を飲んでいたとされる。 男性は机をたたきながら、「しょーもないことを言ってくるな」「絶対に許さないからな」と発言。「殺すぞ」「アホとちがうか」と暴言を繰り返し、女性の背中や肩を平手で何度もたたいていたことも確認された。女性にけがはなかったが、精神的ショックを受けているという。
女性税理士は確定申告を巡り、税務署に税理士会側のさまざまな要望を伝える担当者の一人だった。目撃情報などによると、男性は税理士会側の要望に不満を抱いていたとみられ、一方的に激高していた。署長ら税務署側の出席者は別の席にいたため、一連の言動に気付いていなかったとされる。女性は税理士会を通じて国税局に被害申告し、問題が発覚した模様だ。
大阪国税局は毎日新聞の取材に「事実関係を確認した上で厳正に処分する」としている。【沼田亮】
毎日新聞より転用
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