特急「やくも」にブロンズ色の新型車両 24年春デビュー JR西
- 政治・経済
- 2022年10月21日
© 毎日新聞 提供 特急「やくも」のブロンズ色の新型車両=JR西日本提供
JR西日本は20日、岡山駅と出雲市駅(島根県)を結ぶ特急「やくも」に2024年春から導入する新型車両(273系電車)のデザインを発表した。沿線の自然や文化を象徴するブロンズ色の車体と、座敷仕様にもなるグループ向け座席などが特徴。お年寄りやファミリー層を意識して「沿線の風景に響く車体と、我が家のようにくつろげる車内」などを狙った。デザイナーだけでなく現場の社員も加わって議論したといい、観光振興を図る。
車体は、名峰・大山の朝日や宍道湖の夕日などをイメージした「やくもブロンズ」色で、グリーン車は黄色、普通車は緑色を基調とした座席を配した。普通車には、向かい合った座面を伸ばすことで平らな「お座敷」になる「グループ向け座席」(1両に4区画12席分)を導入した。
山陽と山陰を結ぶ伯備線はカーブの多い山間部を走る。新型車両は、あらかじめ登録した曲線のデータと実際の走行地点のデータを照合させながら車体を傾け、滑らかに遠心力を軽減する「車上型制御付き自然振り子方式」を国内で初めて採用する。11編成(各4両)の製造などにかかる費用は約160億円。鳥取県米子市で記者会見した佐伯祥一・JR西日本山陰支社長は「伝統の中にも革新がある新型やくもと全社員が一丸になって、おもてなしと快適性向上に取り組む」と語った。
現行の車両(381系電車)は国鉄時代の1982年から走る希少な存在で、本州からは国鉄型特急がすべて姿を消すことになる。【中尾卓英】
毎日新聞より転用
コメントする