半導体足りず「信号機」の整備ピンチ…事故多発現場でも入れ替え進まず、半年遅れも
- 政治・経済
- 2022年10月5日
新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵略に伴う半導体不足が、各地の交通信号機の整備にも影響を及ぼしている。信号を制御する機器が調達できず、事故多発現場での信号機の入れ替えが滞るケースも出ており、警察や業界団体は危機感を募らせる。
横浜市神奈川区にある国道15号の「神奈川二丁目」交差点。交通量が多く昨年12月~今年8月には、右折車と対向直進のバイクや車が衝突する死傷事故が4件起きた。神奈川県警は、交差点にある信号機10基のうち6基について、「右折」「左折」「直進」をそれぞれ矢印で表示できる新型の信号機に交換することにした。
ただ、表示方式の変更は高性能の制御機に入れ替える必要があり、この制御機には半導体が欠かせない。半導体不足で交換時期のめどが立たないため、県警は急場しのぎとして、別の交差点で使用中の高性能制御機を「神奈川二丁目」交差点に移すことを決めた。
もとの交差点は当面、旧式の制御機で対応することになる。県警の担当者は「半導体を待っているうちに次の事故が起きてしまうのを防がなければならない。あくまで暫定的な措置だ」と説明する。
神奈川県で昨年度に更新予定だった制御機250台のうち50台は予定通りに進まず、5か月遅れて年度をまたいだケースもある。今年度に更新予定の286台についても順調に進むかは不透明だ。群馬県でも昨年度、制御機約70台の設置が予定より半年近く遅れ、栃木県では信号機28基の定期交換が今年度にずれ込んだという。
信号機の設置業者などでつくる「全信工協会」が2月、加盟202社を対象に実施した半導体不足の影響に関するアンケート(有効回答70社)では、26都道府県の計33社が信号機材の納期について「遅れたケースがある」と回答した。協会の秋山直樹理事は「半導体不足がいつまで続くかは見通せないが、警察とも連携し、交通安全に支障が出ないようにしたい」と話す。
警察庁の担当者は「信号機が設置できないため、道路標識・表示を優先的につけて対応したとの報告もある。計画的に設置していけるように、各警察本部に助言を行うことも検討する」としている。
読売新聞より転用

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