長友は奮起、南野・三笘は沈黙 先発総替えも物足りないエクアドル戦
- スポーツ
- 2022年9月28日
© 朝日新聞社 試合を終えて祝福されるGKシュミット・ダニエル=伊藤進之介撮影
(27日、サッカー日本代表0―0エクアドル代表)
前半終了間際だった。自陣左深く、エクアドル選手へパスが出る。体を投げだして懸命に足を伸ばしたのは、左DF長友佑都だ。ゴール前を狙ったクロスをブロックすると、右手でガッツポーズした。その後の相手CKも防ぎ、防戦だった前半を無失点で切り抜けた。
4回目のW杯をめざす36歳は「半分反射的に、半分意識的に。鼓舞しよう、と」。23日の親善試合・米国戦から先発全員を入れ替えて臨んだこの日、若手が多かったチームで誰よりも頼りになった。
W杯本大会のメンバー発表前、最後の親善試合。多くの選手にチャンスが与えられた。森保一監督はチームのために戦うことと、「思い切って、自分のプレーを100%出すこと」を求めていた。強豪のドイツ、スペインとあたる1次リーグを勝ち抜くために、2チーム分の戦力が欲しいという思惑も当然あった。
だが、球への寄せが速いエクアドルの圧力に屈した。米国戦で途中出場から得点した三笘薫はパワー満タンの相手にドリブルを止められ、南野拓実も球を保持できない。攻撃陣は沈黙した。
長友の気迫に押されるように、後半はやや盛り返した。「結果以上に内容も求められてくる時期」と意識していた堂安律。自陣深くで激しいタックルを見せたかと思えば、得意の左足でゴールを脅かした。
それでも、全体的に見れば物足りない。8強を目指し、本気で選手を入れ替えて戦うつもりなら、「控え組」はもう一皮むけなければならない。(勝見壮史)
朝日新聞より転用

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