議会選敗北でスウェーデン首相が辞表、8年ぶり政権交代…NATO加盟方針は維持か
- 国際
- 2022年9月16日
アンデション氏(AP)
【ロンドン=池田慶太】スウェーデンのマグダレナ・アンデション首相は15日、11日に行われた議会選(一院制、定数349)の敗北を受け、議会議長に辞表を提出した。アンデション氏率いる与党・社会民主労働党など4党の中道左派勢力がわずかに過半数に届かず、14日に辞意を表明していた。
本格的な政権交代は約8年ぶり。北大西洋条約機構(NATO)加盟方針は維持される一方、移民受け入れに寛容だった現政権の方針は見直されるとみられる。
スウェーデン公共放送によると、開票率99%で、反移民を掲げるポピュリスト政党のスウェーデン民主党が11議席増やして73議席を獲得。第2党に躍進し、同党を含む野党4党の右派勢力が176議席で過半数を占めることが固まった。中道左派勢力は173議席だった。
極右思想を背景に持つ民主党に対しては、右派内でも警戒感が強く、第3党の穏健党を中心に新政権の調整が進む見通しだ。
選挙戦では凶悪犯罪の取り締まりや移民対策、光熱費高騰対策などが争点となった。アンデション氏は昨年11月、同国初の女性首相として就任。高い人気を誇り、議会選でも社会民主労働党は議席を伸ばして第1党を確保する見通しだが、中道左派勢力の他党が伸び悩んだ。アンデション氏は今年5月、ウクライナ侵略による安全保障環境の変化に対応するため、軍事同盟に加わらないスウェーデンの「中立」路線を転換、NATO加盟申請を決めた。
読売新聞より転用
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