60年ぶり不名誉記録…中日が「お荷物球団」に並ぶ今季26度目の零封負け 被安打1の高橋宏を野選で負け投手に
- スポーツ
- 2022年9月14日
© 中日スポーツ 提供 6回裏1死一塁、一走岡林がけん制タッチアウトとなる
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って ◇13日 中日0―1DeNA(バンテリンドームナゴヤ)
たった2日前に塗り替えた球団ワーストを、さらに更新した。走塁死が3、けん制死が2。これでシーズン26度目の零封負けだ。たった1安打しか打たれなかった高橋宏を、野選による1点で負け投手にした。
ワーストなのだから、球団史をひもといても見つからない。「26」は実に60年ぶりの記録である。1962年の国鉄スワローズ。いやヤクルトなどまだ影も形もない。その前が58年の近鉄パールスと55年の大映スターズ。2リーグ分立後では中日が4球団目ということになる(「27」以上は除く)。
国鉄だのパールス、大映だのと言われたって、僕も生まれてはいない。知っているのは「お荷物球団」とバカにされていた歴史だけだ。60年前の国鉄にはエース・金田正一がいた。しかし、打撃陣はからっきし。チーム打率2割1厘、313得点、60本塁打、もちろん勝敗も含めて全て最下位だった。
DeNAのガゼルマンは、来日初先発だった。たった1イニングしか投げていなかったとはいえ、防御率36・00。それが中日相手に投げるだけで4・50まで下がり、ウイニングボールを手に笑うことができる。
あれは14~15年前だろうか。日本ハムのキャンプを見ていた時、ある球団関係者が教えてくれた。「あの選手、覚えておいてください。必ず出てきますから」。それが糸井だった。まだ何者でもなかった男は、瞬く間に「超人」「鉄人」と呼ばれるようになった。糸井の何が、どこがすごいのか。同学年で、長年合同自主トレを行ってきた藤井淳志さんに聞いた。
「ストイックなところです。自分でやると決めたら、とことんストイックなんですよ」
投手として入団し、初めてレギュラーになったのは大卒6年目だった。糸井への道は、実はどの選手の前にもある。落ち葉やゴミで隠れて、見えていないだけだ。福留が引退会見で言った「もっと、もっと、もっと」と同じ。ストイックにその道を進めた者だけが、晴れがましく引退の日を迎えられる。
中日スポーツより転用
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