緊張下の独立記念日、攻撃警戒=民間施設標的か、集会を禁止―24日でウクライナ侵攻半年
- 国際
- 2022年8月24日
【キーウ時事】ロシアによるウクライナ軍事侵攻から24日で半年。くしくも旧ソ連からの31回目の独立記念日と重なったが、首都キーウ(キエフ)などではロシアの攻撃を警戒し、祝賀行事や集会が禁止された。ロシアがインフラ施設を狙った攻撃を計画しているとの情報もあり、市民は厳戒下で緊張を強いられている。
23日午前のキーウ中心部の人通りは通常より少なく、ほぼ無人の路線バスが走っていた。デザイナーのリリア・ペソツカさん(37)は「国の呼び掛けに従っているのだと思う。キーウは防空システムで守られている」と話した。会社員イバン・マズレンコさん(27)は「あすは仕事があるので出勤するが、空襲警報があればシェルターに避難する」と述べた。
米政府当局者はロイター通信に「ロシアが今後数日間で民間インフラ施設や政府庁舎を標的とした攻撃を行うため、準備を加速しているとの情報がある」と指摘。「これまでウクライナで行ってきたことを考えると、市民や民間インフラ施設にもたらす脅威を懸念している」と語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は22日のビデオ演説で、これまでに巡航ミサイル約3500発が同国内に撃ち込まれたと明らかにした。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は同日、軍事侵攻が始まって以降、ウクライナで少なくとも民間人5587人が死亡し、7890人が負傷したと発表した。
これに先立ち、ウクライナ政府はロシアが独立記念日に合わせて「極めて醜悪かつ残虐なことをするかもしれない」(ゼレンスキー氏)と厳重な警戒を呼び掛けていた。
キーウでは25日まで大規模な集会や独立記念日の祝賀イベントが禁止され、北東部ハリコフ市当局も夜間外出禁止令を強化した。南部ミコライウは市民に在宅勤務を指示するとともに、大人数で集まらないよう呼び掛けることを検討している。
米シンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ東部でのロシア軍の勢いが大幅に失われ、進軍が停滞していると分析。こうした動きの遅さがウクライナ軍に防御陣地を構築する猶予を与えているとして、「事態が予測し得ない方向に動かない限り、ロシア軍が今後数カ月で支配地を大きく拡大することはできないだろう」との見方を示した。
時事通信より転用
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