同級生の母親を食い物に…38歳「1億円詐欺師」の卑劣だまし手口
逮捕された桜井容疑者。知り合いの高齢女性をだましカネを取っていた
「昔のことは覚えていない」 警察の取り調べにたいし、男はこう嘯いているという。 6月17日、警視庁荒川署は同区に住む60代の女性から4600万円もの大金をだまし取ったとして住所・職業不詳の桜井庸輔容疑者(38)の逮捕を発表した。詐欺の疑いだ。桜井容疑者がだましたのは、高校時代の友人の母親だった。
「桜井容疑者は大学卒業後、大手先物商品取引会社に就職しています。短期間で、管理職にまで昇進したそうです。しかし顧客とのトラブルが続出したため退職。自身で投資会社を設立し、SNSを通じ出資を募りました。集まったカネは、400人ほどから50億円にものぼったとか。 羽振りは相当良かったようです。東京・新宿歌舞伎町や六本木のクラブで、毎晩のように明け方まで遊び歩く姿が目撃されていました。しかし、配当が滞るなど投資会社でも問題が頻発。被害者からの告発が相次ぎ、20年11月には金融商品取引法違反で逮捕されています」(全国紙社会部記者)
◆「息子さんもやって儲かっているよ」 今回逮捕のキッカケとなっただましの手口は、卑劣極まるものだった。
「60代の女性は、桜井容疑者が息子の高校時代の同級生ということで信頼してしまったのでしょう。桜井容疑者は女性から、16年5月から翌年7月にかけ14回もカネをだまし取っていたようです。自分は先物取引のプロだと吹聴し、こう誘っていたとか。『息子さんもやっていて儲かっているよ。資産運用すれば必ず利益が出るよ』と。 桜井容疑者は、同様の手口で少なくとも4件の犯行に及んだことがわかっています。だまし取った総額は、1億円以上になります」(同前) 桜井容疑者のような詐欺師からの儲け話は、どうやって防げばいいのだろうか。元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。
「当たり前ですが、簡単に大金を儲けられる話などありません。まず疑うべきです。本当に儲けられる仕組みがあるのなら、簡単に人に言わないでしょう。儲け話をもちかけてくる人間の目的は、詐欺だと考えてください。たとえ相手が知人や身内でもです。 詐欺師は『私は投資のエキスパートだ』『トップ営業マンだった』などと自称し、専門用語を並べて説得するのが常套手段です。どうしても出資したいのなら、相手が本当に投資の資格を持っているのか金融商品取引所などで調べるのも一つの手段でしょう。認可されていないケースがほとんどですから。事件化して詐欺師が逮捕されても、出資したカネはまず戻ってこないことを肝に銘じてください。詐欺師はカネを使い果たし、手元に財産はほとんどないでしょうから」 警察は、桜井容疑者に余罪がないか調べを進めている。
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