コロナ融資詐取 集めた1.5億円が消えグループ内紛 発覚契機に?
新型コロナウイルス禍で経営が悪化した医療・福祉施設から、融資の仲介を装い現金をだまし取ったとして大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら5人が逮捕された詐欺事件で、集めた詐取金の一部とみられる約1億5000万円が2021年2月に福岡市の貸金庫からなくなり、グループ間で金銭トラブルになっていたことが、捜査関係者への取材で判明した。5人のうち1人が福岡県警に窃盗被害を相談する事態となり、それが今回の事件発覚につながったという。
他に詐欺容疑で逮捕されたのは大阪市、自称無職、渡部秀規(48)▽同、医療コンサルタント会社代表、北村隆史(60)――ら4容疑者。県警は2日、5人を送検した。
捜査関係者によると、21年2月以降、渡部容疑者が「吉羽容疑者らに1億数千万円を盗まれた」と県警中央署に相談。盗まれたとされる現金は、福岡市中央区内にある銀行の貸金庫に保管されていたとみられる。現場の防犯カメラには、吉羽容疑者が現金を運び出す様子が映っていたという。
県警が窃盗事件として捜査していたところ、5人が全国の医療・福祉施設に、独立行政法人「福祉医療機構」(東京)の融資制度を「仲介する」と持ち掛け、手数料名目で現金を詐取していた疑いが浮上。5人が関与した融資は福岡や大阪などで十数件に上り、計十数億円を受け取っていた可能性があるという。県警は貸金庫に保管されていた現金も被害金の一部とみており、5人の関係性についても捜査を進める。【土田暁彦、河慧琳】
毎日新聞より転用
コメントする