「世界の若者を広島・長崎へ」岸田首相がNPT演説で基金創設を表明へ…1千万ドル拠出
- 政治・経済
- 2022年7月30日
岸田首相は8月1日に米ニューヨークで開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議の演説で、世界の若者に被爆地の広島と長崎への訪問を促すため、新たに国連に基金を創設し、1000万ドル(約13・3億円)を拠出すると表明する。核実験全面禁止条約(CTBT)の早期発効を目指し、9月に初の首脳級会合を主催する方針も打ち出す。
首相は今月31日~8月2日の日程で訪米し、NPT再検討会議に日本の首相として初めて出席する。1日の演説は英語で行い、核保有国による核戦力の透明性向上や、米中両国に核軍縮・軍備管理に向けた対話を呼びかける予定だ。
創設を表明する基金の名称は「ユース非核リーダー基金」。首相は、若者らに被爆地を訪問して被爆の実相に触れてもらうことを重視しており、基金で後押しする考えだ。原爆の惨禍を世代や国境を超えて継承するため、軍縮や不拡散の問題に取り組む次世代のリーダーを育てる狙いがある。
演説では、CTBTの議論を日本が主導する姿勢も示す。CTBTはあらゆる空間で核実験を禁止する条約で、1996年に国連総会で採択された。日本は97年に批准したが、発効に必要とされる米国や中国などが批准していないため、発効していない。
日本はオーストラリア、オランダとより転用
年、早期発効の機運を高めるため、批准国による「フレンズ会合」の外相会議を開いている。今回は、9月に各国の首脳らがニューヨークに集まる国連総会の「ハイレベル・ウィーク」に合わせ、首脳級に格上げした会議を開催したい考えだ。
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