【パリ時事】イタリアで、初の女性首相が誕生するかもしれない。事実上の連立政権崩壊に伴い、9月25日に前倒し総選挙の投票が行われる。伊メディアによれば、政党支持率で首位に立つ「イタリアの同胞(FDI)」を中心とした右派連立政権発足の可能性が高く、FDIのジョルジャ・メローニ党首(45)が首相を狙うと報じられている。
◇唯一の野党
ドラギ政権は昨年2月、ほぼ全政党から支持を得て発足したが、メローニ氏のFDIは加わらなかった。ほぼ唯一の野党となって政府を批判し続けた。
この戦略が的中した。エネルギー需要回復などで昨年から続く燃料高騰や、ウクライナ侵攻に伴う物価高に苦しむ庶民の怒りを受け止め、支持急拡大に成功した。
「イタリア人はこの茶番劇に付き合う必要はない」。20日の上院での信任投票を前に、メローニ氏は訴えた。連立与党の一角、左派「五つ星運動」の内紛に端を発したドラギ氏の辞任騒動を突き放し「FDIは首尾一貫している」と右往左往する連立各党を嘲笑した。
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