Twitterで日本のツイートが“世界トレンド1位”獲れるのはなぜ? 背景に「ユーザー数」と「独自性」
- エンタメ
- 2022年7月25日
日本のワードが世界でトレンドとなっている。
「TBS系ドラマ『オールドルーキー』が3週連続で視聴率2桁をキープしています。主演の綾野剛さんが、“ガーシー”こと暴露系YouTuberの東谷義和氏のターゲットとなり、参議院選挙でもNHK党の立花孝志党首も話題に挙げるなど、さまざまな意味で注目度が高いドラマ。初回はTwitterでも世界トレンド1位に入っていました」(テレビ誌ライター)
日本は世界2位のTwitter大国
たびたび目にする“世界トレンド1位”というワード。どういったものなのか。
「最近のドラマではTBS系『マイファミリー』やテレビ朝日系『捜査一課長』、『未来への10カウント』、NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』なども世界トレンド1位を獲得。ドラマ以外では、那須川天心と武尊が対戦した格闘技イベントの『THE MATCH』やVTuber・キズナアイのラストライブも世界トレンド1位になっています。Twitter社のホームページによると、“ここ数日や今日1日で話題になったトピックではなく、今まさに注目されているトピックが選び出される”とありますが、詳しい仕組みなどは明かしていません」(同テレビ誌ライター)
世界的に使われているはずのTwitterで、これだけ日本のワードが1位になるのはなぜなのか。SNSに詳しいウェブメディア評論家の落合正和氏に話を聞いた。
「そもそも、日本は月に1回以上はログインする月間アクティブユーザーの数がアメリカに次いで2番目に多い。なので、日本人が盛り上がると、必然的に世界トレンド1位を取れます。日本はアメリカ人が認めるTwitter大国なんです」
短歌や俳句に対する感性も関係
日本人のTwitter熱を象徴するのがジブリの『天空の城ラピュタ』がテレビ放送されるたびに起こる“祭り”である。
「物語終盤で主人公のパズーとシータが滅びの呪文『バルス』を唱えるシーンに合わせて、『バルス』と投稿することが定番になっています。ネット上では“バルス祭り”と呼ばれ、‘13年には世界最多記録となる1秒間に1万3199ツイートされました」(前出テレビ誌ライター)
こういった現象が起きるのは日本ならではの使い方が理由のようで――。
「日本と海外とでは、Twitterの使い方が異なっています。日本人は独り言のように投稿する使い方が目立ちますが、それは特殊で、海外ではユーザー間のやり取りが中心です。また、テレビを見ながらツイートするということに関して、日本は早くから盛り上がりを見せていたとTwitter社のバイスプレジデントが以前話していました。そういったことも影響しているのだと思います」(落合さん、以下同)
このような流れになったのはあるものの影響だという。
「‘08年に日本版のTwitterがリリースされた頃は、匿名掲示板2ちゃんねるの文化や流行が持ち込まれるということがありました。匿名掲示板はひとり言を書き込んで、誰か知らない人が突っ込みにくるといったような形。そこがスタートなので、ユーザー間のやり取りが中心の海外とでは使い方が異なっています」
常にトレンドをにぎわせるほど、日本人がTwitterに熱くなる理由は何なのか。
「日本語や韓国語、中国語では1投稿140字以内、それ以外では280字以内と限られていますが、漢字を組み合わせたり、言葉の裏側の思いをくむといったり、日本語では多彩な表現をすることができます。昔から短歌や俳句など、限られた文字数の中で人に思いを伝えることに関しては優れた感性を持っていたのだと思います。それが、Twitterの文字数の制限にハマったのだと思います」
日本の文化や感性が背後にある“ひとり言”が世界のトレンドとなっている。
コメントする