戸田奈津子、トム・クルーズの通訳を引退した理由は?
- エンタメ
- 2022年7月5日
字幕翻訳家の戸田奈津子(86)が3日、TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『トップガン マーヴェリック』のイベントに登壇し、トム・クルーズの通訳を引退した理由を明かした。
この日はトムの記念すべき60歳の誕生日で、長年トムと親交のある戸田の誕生日でもある。戸田は「今日は本当に、こんなことになるとは思いもしませんでした。たまたまトムとお誕生日が一緒なものですから、このようなイベントを催していただいて、トムに感謝でございます」とあいさつ。誕生日には毎年、トムから必ず花が届くというが、今年は花とエルメスのスカーフを贈られたそうで、そのスカーフをさっそく身に着けていた。
5月末にはトムが来日を果たしたが、その隣に戸田の姿はなかった。それについて戸田は「もうトムの通訳を30年近くやってきましたけど、トムはいつもやること全てに熱心でしょう? 彼はいつも200%の力を出す人で、そんな彼を通訳しているのね。でもこの年になって、パッとうまく通訳できなくなったら、もしわたしが100%の力でしか応えられなかったら、常に200%の力を出しているトムに申し訳ないなと思ったんです」と説明。
来日の1か月ほど前にトムから日本に来るという連絡があったそうだが、「その時に今回は通訳を降ろしていただきたい、と連絡したんですね。そしたら、かなりビックリしてましたけど、状況を説明したら理解してもらえて、そして今回は辞退しまして……(笑)。でも来日時は(プレミアに参加して)、楽しい時間は過ごすことができました」と振り返った。
そして「記者会見の時、いつも手を取って壇上から降ろしてくれたり本当に光栄だと思いましたし、通訳の時も訳しやすいように言葉を切ってくれたり、なんであんなに優しくしてくださるのかわからないけれど、トムは本当に優しい方です」とその人柄を語った。
イベントには数多くトムの吹き替えを担当する声優の森川智之と、俳優の本木雅弘を父に持つモデルのUTAも登壇した。
UTAから「字幕は字数の制限がある中で、どこにポイントを置いて翻訳しているのですか?」と質問されると、「字幕の字数は限られていますから、セリフの全部は訳せないわけです。たまに直訳していると思っている方がいるのよ。でもそうじゃないんですね。一番重きを置いているのは、その人の気持ちが一番出るセリフを訳すこと。訳が合ってる、合ってないとか、そういうところを批判する人がいますが、一番重要なのは、感情的にちゃんと訴えられる日本語」と答えた。(編集部・中山雄一朗)
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