なでしこジャパン、フィンランドに5発 植木理子が最多タイ5戦連発“新エース”に名乗り
- スポーツ
- 2022年6月29日
◆国際親善試合 日本5―1フィンランド(27日、フィンランド・ヴェリタススタジアム)
FIFAランク13位のなでしこジャパンは、国際親善試合で同29位のフィンランドに5―1で勝利した。後半開始から途中出場したFW植木理子(22)=日テレ東京V=が、歴代最長タイとなる5戦連続弾を決め、“新エース”に名乗りを上げた。チームにとっては来夏のW杯オーストラリア・ニュージーランド大会に向けて、実りある欧州遠征となった。
圧巻のゴールに、植木は自分で驚いた。3―1の後半29分、左サイドでのFKの流れで相手がクリア。ゴールエリア左手前でそのボールを胸トラップで収めると、右足ボレーシュートを鮮やかに突き刺した。「自分が一番びっくりしている。ラッキーゴールだった」。1月のアジア杯・ミャンマー戦(5〇0)で代表初得点し、同大会の韓国戦(1△1)から5戦連発の6得点。昨年7月にFW岩渕真奈(29)=アーセナル=が記録した連続得点の歴代最長に並んだ。
流れを好転させた。チームは前半、縦への推進力を欠き、好機も決めきれない。後半開始から植木、MF長谷川唯らがピッチに立つと、選手間の距離が改善され4得点を奪い、「動きのある攻撃ができた」と、主将のDF熊谷紗希。絶対的エースの岩渕がけがで招集外の今活動。攻撃面の不安を払うように、植木やこの試合で3得点に絡んだMF遠藤純らが躍動した。セルビア戦(24日・5〇0)との2試合で、オウンゴールを除く計9得点を8人で奪い、層の厚さを示した。
W杯まで約1年1か月。この2戦で多くの収穫を得た。池田太監督(51)は「前から奪いにいく成功体験にトライした。奪うシーンがつくれたことは成果」と、うなずく。この日の前半のような流れでは、より早い対応力が必要とはいえ、後半の修正力、大量得点での勝利、22人全員がピッチに立ち、さまざまな組み合わせが試せて連係が深まったことはプラスだ。
熊谷は「もっと質を上げないといけないが、次につながるチャレンジができた。少しずつW杯に向けて前に進めている」。より上を目指し、欧州遠征で得た手応えをさらに磨いていく。(小又 風花)
◇なでしこジャパンの連続得点記録 2021年7月21日の東京五輪1次リーグ・カナダ戦(1△1)で、岩渕真奈が5戦連発し、最長を更新(6月16日に非公開で行われたメキシコ戦=8〇0=を含む)。4戦連続得点は、1993年12月に前代表監督の高倉麻子、03年6月に澤穂希、05、08、12年に永里(大儀見)優季、17年3~6月に横山久美、21年4~6月に籾木結花の5人が記録している。
◆植木 理子(うえき・りこ)1999年7月30日、神奈川・川崎市生まれ。22歳。AC等々力でサッカーを始め、日テレ東京Vの下部組織を経て、2016年からトップチームでプレー。各年代別代表を経験し、19年4月のフランス戦(1●3)でA代表デビュー。同年のフランスW杯代表に選出されたが、けがの影響で大会前に離脱。初得点は今年1月21日のアジア杯1次リーグ初戦・ミャンマー戦(5〇0)。国際Aマッチ13試合出場7得点。162センチ、53キロ。
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