『シン・ウルトラマン』の“シン”を楽しむ!抑えておきたい、名刺を持った宇宙人ら4つの怪獣
- エンタメ
- 2022年5月13日
5月13日についに公開となった映画『シン・ウルトラマン』。
企画・脚本庵野秀明、監督樋口真嗣が、現代の日本を舞台に新たに世に送り出すウルトラマン。公開までに明かされている情報は限定されているが、
「2人が手がけ大ヒットした『シン・ゴジラ』のごとく、現代社会に怪獣(作中では「禍威獣/カイジュウ」と呼称)やウルトラマンが現れたらという、リアリティを追求した作品になっています」
と、ある映画ライター。
「『シン・ゴジラ』はこれまであまりゴジラ映画を見ていない層も見て大ヒットしましたが、『シン・ウルトラマン』も、従来のウルトラマンシリーズの予備知識がなくても楽しめる作品。特撮ファンも、一度ウルトラマンの知識を忘れて見るとより衝撃を楽しめるのではとも言われます」(同)
予告に姿を現した怪獣と宇宙人
とはいえ、原典となったオリジナルのテレビ作品も知っておくほうがより深く「シン」の世界も楽しめるのではないだろうか。見る前に、または、見たあとに抑えておくことで、より『シン・ウルトラマン』を楽しめそうな作品を、特撮作品に詳しい芸能記者に全39話の中からピックアップしてもらった。
『シン・ウルトラマン』の予告や特報にその姿を現した怪獣(禍威獣)と宇宙人(作中では「外星人」)は、ネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラス。
まずは透明怪獣ネロンガが登場するのが第3話「科特隊出撃せよ」。
「かつて江戸時代に出現したものの、ある武士に封印されたものが、電気エネルギーをエサとすることにより巨大化して復活したという怪獣です。4足歩行型の正統派スタイルで、スマートなスタイルのウルトラマンと戦う姿も映え、人気も高い。撮影用のスーツは、東宝映画で使用された地底怪獣バラゴンを改造したもので、電気を吸収する前には透明な姿で肉眼で見えないことも特徴ですが、もしかしたら当時はできなかった透明状態を活かした描写が最新の技術で表現されているかもしれません」
ウラン怪獣ガボラが登場するのが第9話「電光石火作戦」。
「ファンは知っていると思いますが、ガボラはネロンガのスーツをさらに改造した、大きな襟巻き状のヒレが特徴の怪獣です。初代版での設定ではウランをエネルギー源としますが、電気のネロンガとともに、インフラ系がピンチになりそうな要素、さらにCGで表現するのにあえて共通のスーツを使用した2体をチョイスしたことに大きな意味が含まれているかもしれません」
そして、地球以外の知的生命体として登場する凶悪宇宙人ザラブ(星人)が登場するのが第18話の「遊星から来た兄弟」。
「その名前が“ブラザー”のアナグラムとなっていますが、自分たちよりも技術がまだ低い地球人を弟のような存在と親しみ深く近づいてくる。そのいっぽうで、ニセウルトラマンに化け街を破壊するなどし、ウルトラマンの信頼を失わせようとするなど、力でなく頭脳と戦略で攻めてくる宇宙人でした。今回、ニセウルトラマンまで登場するかどうかは分かりませんが、印象的な存在の宇宙人です」
最後に、悪質宇宙人メフィラス(星人)が登場するのが第33話「禁じられた言葉」だ。
「ザラブ星人の侵略法をさらに推し進めたというか、自ら選んだ地球人の子供に、『地球をあげます』と契約を迫ることで挑戦してくる宇宙人でした。先に登場したザラブ星人や、バルタン星人、ケムール人を手下のような存在として登場させることでその力をアピールもしました。ウルトラマンとも互角の勝負を繰り広げますが、その途中で『宇宙人どうしが戦っても仕方がない』と言い、停戦するなど紳士的な一面も見せました。『シン・ウルトラマン』ではその人間体として山本耕史が登場し、『メフィラス』と書かれた名刺を差し出す場面がありましたが、どのような心理戦を繰り出してくるのか、その戦略がどうリアルにアップデートされているのか、初代と比べてみると、ますます楽しめるはずです」
『8日で死んだ怪獣の12日の物語』にも注目
そして注目したいのが、本作のポスタービジュアルなどに記載された「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」というコピーだ。
「これは初代ウルトラマン最終回『さらばウルトラマン』で、宇宙恐竜ゼットンに敗れ、故郷である光の国からその生命を助けるために現れたゾフィーの言葉です。ゾフィーはウルトラマンを甦らせようとしますが、ウルトラマンは人間体であるハヤタ隊員のほうを生き返らせてほしいと願います。そのときのゾフィーの驚き。その言葉が選ばれていることから、ゾフィーやゼットンは登場するのか、そしてこのようなやりとりが存在するのか、または全く別の形で交わされるやりとりなのか。その比較のためにもぜひ押さえてもらいたいですね」
初代のウルトラマンで押さえておくとより楽しめそうなのはこれらだが、全く別の作品も、合わせて見るといいかもしれないと、前出の映画ライターは言う。
「2020年に発表された、岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語』です。コロナ禍の真っ只中にリモート等を駆使して制作された作品で、コロナと戦ってくれるという怪獣を通販で購入し育てていくといったものなのですが、作中にはいわゆるスーツ等での怪獣はいっさい登場しません。
監督は岩井俊二さんですが、主演が『シン・ウルトラマン』と同じく斎藤工で、斎藤工が育てる怪獣についての知識をいろいろたずねる相手が樋口監督という、『シン』つながりなのが、興味深いです。ふたりのやりとりを見ながら、『シン・ウルトラマン』撮影中の雰囲気を妄想したりするのも面白いのではないでしょうか」
公開された後は、『シン・ゴジ』や『シン・エヴァ』のような新たな衝撃が目白押しであることは間違いないが、これらをサブテキスト的により深く「シン」の世界を楽しんでみたい。
5月13日についに公開となった映画『シン・ウルトラマン』。
企画・脚本庵野秀明、監督樋口真嗣が、現代の日本を舞台に新たに世に送り出すウルトラマン。公開までに明かされている情報は限定されているが、
「2人が手がけ大ヒットした『シン・ゴジラ』のごとく、現代社会に怪獣(作中では「禍威獣/カイジュウ」と呼称)やウルトラマンが現れたらという、リアリティを追求した作品になっています」
と、ある映画ライター。
「『シン・ゴジラ』はこれまであまりゴジラ映画を見ていない層も見て大ヒットしましたが、『シン・ウルトラマン』も、従来のウルトラマンシリーズの予備知識がなくても楽しめる作品。特撮ファンも、一度ウルトラマンの知識を忘れて見るとより衝撃を楽しめるのではとも言われます」(同)
予告に姿を現した怪獣と宇宙人
とはいえ、原典となったオリジナルのテレビ作品も知っておくほうがより深く「シン」の世界も楽しめるのではないだろうか。見る前に、または、見たあとに抑えておくことで、より『シン・ウルトラマン』を楽しめそうな作品を、特撮作品に詳しい芸能記者に全39話の中からピックアップしてもらった。
『シン・ウルトラマン』の予告や特報にその姿を現した怪獣(禍威獣)と宇宙人(作中では「外星人」)は、ネロンガ、ガボラ、ザラブ、メフィラス。
まずは透明怪獣ネロンガが登場するのが第3話「科特隊出撃せよ」。
「かつて江戸時代に出現したものの、ある武士に封印されたものが、電気エネルギーをエサとすることにより巨大化して復活したという怪獣です。4足歩行型の正統派スタイルで、スマートなスタイルのウルトラマンと戦う姿も映え、人気も高い。撮影用のスーツは、東宝映画で使用された地底怪獣バラゴンを改造したもので、電気を吸収する前には透明な姿で肉眼で見えないことも特徴ですが、もしかしたら当時はできなかった透明状態を活かした描写が最新の技術で表現されているかもしれません」
ウラン怪獣ガボラが登場するのが第9話「電光石火作戦」。
「ファンは知っていると思いますが、ガボラはネロンガのスーツをさらに改造した、大きな襟巻き状のヒレが特徴の怪獣です。初代版での設定ではウランをエネルギー源としますが、電気のネロンガとともに、インフラ系がピンチになりそうな要素、さらにCGで表現するのにあえて共通のスーツを使用した2体をチョイスしたことに大きな意味が含まれているかもしれません」
そして、地球以外の知的生命体として登場する凶悪宇宙人ザラブ(星人)が登場するのが第18話の「遊星から来た兄弟」。
「その名前が“ブラザー”のアナグラムとなっていますが、自分たちよりも技術がまだ低い地球人を弟のような存在と親しみ深く近づいてくる。そのいっぽうで、ニセウルトラマンに化け街を破壊するなどし、ウルトラマンの信頼を失わせようとするなど、力でなく頭脳と戦略で攻めてくる宇宙人でした。今回、ニセウルトラマンまで登場するかどうかは分かりませんが、印象的な存在の宇宙人です」
最後に、悪質宇宙人メフィラス(星人)が登場するのが第33話「禁じられた言葉」だ。
「ザラブ星人の侵略法をさらに推し進めたというか、自ら選んだ地球人の子供に、『地球をあげます』と契約を迫ることで挑戦してくる宇宙人でした。先に登場したザラブ星人や、バルタン星人、ケムール人を手下のような存在として登場させることでその力をアピールもしました。ウルトラマンとも互角の勝負を繰り広げますが、その途中で『宇宙人どうしが戦っても仕方がない』と言い、停戦するなど紳士的な一面も見せました。『シン・ウルトラマン』ではその人間体として山本耕史が登場し、『メフィラス』と書かれた名刺を差し出す場面がありましたが、どのような心理戦を繰り出してくるのか、その戦略がどうリアルにアップデートされているのか、初代と比べてみると、ますます楽しめるはずです」
『8日で死んだ怪獣の12日の物語』にも注目
そして注目したいのが、本作のポスタービジュアルなどに記載された「そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン。」というコピーだ。
「これは初代ウルトラマン最終回『さらばウルトラマン』で、宇宙恐竜ゼットンに敗れ、故郷である光の国からその生命を助けるために現れたゾフィーの言葉です。ゾフィーはウルトラマンを甦らせようとしますが、ウルトラマンは人間体であるハヤタ隊員のほうを生き返らせてほしいと願います。そのときのゾフィーの驚き。その言葉が選ばれていることから、ゾフィーやゼットンは登場するのか、そしてこのようなやりとりが存在するのか、または全く別の形で交わされるやりとりなのか。その比較のためにもぜひ押さえてもらいたいですね」
初代のウルトラマンで押さえておくとより楽しめそうなのはこれらだが、全く別の作品も、合わせて見るといいかもしれないと、前出の映画ライターは言う。
「2020年に発表された、岩井俊二監督の『8日で死んだ怪獣の12日の物語』です。コロナ禍の真っ只中にリモート等を駆使して制作された作品で、コロナと戦ってくれるという怪獣を通販で購入し育てていくといったものなのですが、作中にはいわゆるスーツ等での怪獣はいっさい登場しません。
監督は岩井俊二さんですが、主演が『シン・ウルトラマン』と同じく斎藤工で、斎藤工が育てる怪獣についての知識をいろいろたずねる相手が樋口監督という、『シン』つながりなのが、興味深いです。ふたりのやりとりを見ながら、『シン・ウルトラマン』撮影中の雰囲気を妄想したりするのも面白いのではないでしょうか」
公開された後は、『シン・ゴジ』や『シン・エヴァ』のような新たな衝撃が目白押しであることは間違いないが、これらをサブテキスト的により深く「シン」の世界を楽しんでみたい。
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