リトアニア大統領、「欧州政治共同体」創設案を批判
- 国際
- 2022年5月11日
【5月11日 AFP=時事】リトアニアのギタナス・ナウセーダ(Gitanas Nauseda)大統領は10日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が提唱している、欧州連合(EU)の枠組みを超えた「欧州政治共同体」を新たに創設する構想について、ウクライナをEUに迎え入れようとする政治的意志の欠如を示すものだと批判した。
ウクライナはロシアによる侵攻開始後、EUに加盟を申請した。だが、EU内では加盟手続きの迅速化は避けたいとの姿勢が根強く、現加盟国の中には、ウクライナを「加盟候補国」と認定することにさえ慎重な国もある。
マクロン氏は9日、ウクライナなどの新規加盟には「数十年」かかる可能性があるとの認識を示すとともに、2020年にEUを離脱した英国の取り込みも視野に入れた、EUの枠を広げた「欧州政治共同体」の創設を提唱した。
ナウセーダ氏はマクロン氏の提案について、記者会見で「私の印象では、EU加盟候補国として認定するという断固たる決断を下す政治的意志が全くないことを覆い隠そうとするものだ」と反発。「提案の前にウクライナの意見を聞き、希望に沿うか確認すべきだ」と語った。
リトアニアはウクライナのEU加盟を積極的に支持している。ただ、ナウセーダ氏は「甘い考えはない。ウクライナが加盟候補国となってから正式な加盟国となるまでに1、2年、おそらく8年以上かかるであろうことは理解している」と認めた。
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