見積もり増額依頼、市貝町職員が停職1カ月 「信頼を失墜」町長謝罪
市貝町職員がイノシシ猟に使う「くくりわな」の随意契約で、見積金額を高く変更するよう業者に依頼した問題で、町は13日、適正な入札事務に反したとして、町企画振興課、30代の管理栄養士の女性職員を停職1カ月の懲戒処分(11日付)としたと発表した。当時の係長を戒告、課長を文書訓告処分とした。
町によると、女性職員は農林課に勤務していた今年1月、町鳥獣被害対策協議会のくくりわな160台、計約100万円の調達で3社の見積書を取った際、一番低い価格を提示した県外の業者に金額を引き上げて見積書を再提出するよう求めた。その結果、2番目に低い価格を提示した別の業者が最低価格となり、業者が製品を納品した。
女性職員は「上司の指示でやった」と説明しているという。くくりわなの調達費用は全額が同協議会に県を通じて国から直接入金される補助金で、町は今後、補助金を返還する見通し。
町は入札事務の認識や課・係内の意思疎通の不足が原因として、全職員への研修や情報共有、契約関連事務のチェック、監督体制の強化に取り組むとした。
町では一昨年から備品購入を巡る不正や同僚への不適切な言動など不祥事が続いている。入野正明(いりのまさあき)町長は「再び行政の信頼を失墜させる行為が行われた。町民に心からおわびする」と謝罪した。
町は今後は、第三者を交えた「不祥事等再発防止委員会」を設置し、役場内で相次ぐ不祥事の検証と再発防止策の検討を行う。
下野新聞より転用
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