谷真会長兼社長は読売新聞のインタビューで「少子高齢化で雇用のマーケット(市場)が縮小するのは間違いない。『40歳を超えると正社員で働きづらい』というイメージを払拭(ふっしょく)したい」と述べた。
外食業界での中途採用は、飲食店で正社員やアルバイトを経験した人材が中心だった。すかいらーくは将来の人手不足に備え、配膳ロボットの導入など省人化を進めており、今後は勤務経験の有無にかかわらず働く意欲が高い人材を求める。
今年は15人程度の採用を見込んでおり、来年以降は増やす方針だ。出産・育児が一段落した50歳代までの受け入れを想定する。谷氏は「これまで子育てに時間を取られていたが、正社員として働きたいという人は確実に増える。その受け皿になりたい」と語った。
就職活動がバブル崩壊後の景気低迷期に重なった30歳代後半から40歳代の「就職氷河期世代」で、やむを得ず非正規で働いている人も採用したい考えだ。谷氏は、未経験者のための社員育成プログラムを充実させる考えも示した。
日本の女性雇用を巡っては、出産・育児を経た後の復職や再就職が課題となっており、一部の企業では取り組みが進んでいる。帝人は、小学生以下の子どもがいる女性らを積極的に中途採用している。多様なキャリアを持つ人材を確保する狙いがある。
ただ、再就職のハードルは高いのが実情だ。調査機関「しゅふJOB総研」が1月に行ったインターネット調査によると、回答した女性557人のうち、結婚・出産後の就職活動が「難しい」と答えた人の割合は92・6%に上った。「子どもがいると話したら面接を切り上げられた」「勘を取り戻すのに時間がかかる」といった声が上がった。
多くの業界で人手不足が続く中、働きたい人材が家庭と仕事を両立できる環境を整える努力が企業側に求められそうだ。
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