役場庁舎の消防計画を10年間未作成、消防訓練も実施せず…町長が総務部長だった当時から
岩手県大槌町は28日、現在の役場庁舎になった2012年以降、約10年間にわたって消防法で決められた役場庁舎の消防計画を作成せず、消防訓練も行っていなかったと発表した。平野公三町長は「役場の安全を確保する大切なことをなおざりにしてきたことを深くおわびします」と謝罪した。
消防法では、不特定多数が出入りする場所では防火管理者を定め、消防計画を策定することが義務づけられている。町は、東日本大震災後、12年8月に小学校を改修した現在の建物に役場を移転。同年10月から、当時総務部長だった平野町長が防火管理者を務めていたが、計画作成や訓練が行われていなかった。
その後、平野町長が15年に町長選出馬のため退職。次の防火管理者を選ぶ必要があったが、引き継ぎが行われず、20年10月まで防火管理者が不在のままになっていた。大槌消防署は16、20年に立ち入り検査を行い、文書や口頭で指導を続けてきたが、消防計画未作成の状態が続いていた。
町は、消防計画を29日に同署に提出。消防訓練は4月中に実施する。だが、町では、役場以外にも町中央公民館赤浜分館など町施設5か所で消防計画が未作成だった。
町は再発防止対策として、防火管理者の選任や訓練の実施など町施設の防火管理を企画財政課で一括して行う。また、第三者委員会を設置して原因を検証する。検証結果について住民説明会も開く予定だ。
読売新聞より転用
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