トンガ火山噴火の潮位変化、発生の要因は空振の可能性
- 国際
- 2022年3月16日
トンガ諸島の海底火山噴火によって日本で観測された潮位上昇について、気象庁の有識者勉強会は15日、噴火で発生した気圧の波(空振)が要因だった可能性があるとする報告書案をまとめた。地震で発生する通常の津波とは異なるメカニズムだとしている。
案によると、1月15日午後1時ごろに発生した噴火によって大気の乱れが生じ、これが空振として約8千キロ離れた日本へ伝わっていった。
気象衛星「ひまわり」の画像分析から、空振は午後8時40分ごろに本州付近に到達。国内では、同じ時間帯にトンガ方面から日本に向けて約2ヘクトパスカルの気圧の上昇が確認された。
この気圧上昇から30分~1時間ほど遅れて、国内で潮位の変化が観測され始めた。空振で海面が押されたことによるものとみられ、通常の地震による津波の想定到達時間よりも3~4時間ほど早かった。
勉強会はこれらの分析を今月中にも、報告書としてとりまとめる。
ただ、噴火規模と空振に相関関係は見られるものの、現時点で日本での潮位変化の大きさを予測するのは難しく、当面は海外の観測点で潮位変化を監視することが重要としている。
今回の噴火で、気象庁は15日午後7時ごろ、津波被害の心配はないと発表した。しかし、同日深夜から翌16日未明にかけて太平洋側で1メートル以上の潮位上昇を観測したことから、津波警報・注意報を出した。
朝日新聞社より転用
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