ケリー被告に一部有罪=日産は罰金2億円―ゴーン被告報酬隠し・東京地裁
- 政治・経済
- 2022年3月4日
日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(67)の報酬隠しに関与したとして、金融商品取引法違反罪に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(65)と法人としての日産の判決が3日、東京地裁であった。下津健司裁判長はケリー被告に懲役6月、執行猶予3年(求刑懲役2年)、同社に求刑通り罰金2億円を言い渡した。ケリー被告側は控訴する方針。
下津裁判長は、報酬隠しがあったとされる8年間分のうち、7年間分はケリー被告に報酬隠しの認識がなかったとして無罪とした。ゴーン被告については全ての期間で罪が成立すると認定した。
争点だったゴーン被告に確定した「未払い報酬」があったかどうかについては、有価証券報告書で開示すべき未払い報酬が存在したと指摘。2010~16年度に関してはゴーン被告と、検察と日本版「司法取引」に合意した元秘書室長が未払い報酬を認識した上で、有報に虚偽記載したとした。
ケリー被告が報酬隠しについて2人と協議した事実はなく、共謀を証明する証拠がないと判断した。ゴーン被告の報酬減額分をどのように支払うかは検討していたが、「未払い報酬の存在を認識していたと推認することはできない」と述べた。
ただ、17年度分は未払い報酬額が記載された書面を元秘書室長から見せられたことなどから、ケリー被告にも共謀が成立すると結論付けた。
その上で、同被告は代表取締役の立場にありながら法律を無視しており、「強い非難が向けられるべきだ」と指摘。一方で自身が直接利益を得ていないことなどを考慮し、執行猶予が相当とした。
時事通信社より転用
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