IEA、石油備蓄の協調放出決定 計6千万バレル
- 国際
- 2022年3月2日
ロシアのウクライナ侵攻を背景とする原油高に対応するため、国際エネルギー機関(IEA)は1日、臨時の閣僚会合をオンラインで開き、加盟国が全体で6千万バレル規模の石油の備蓄を協調放出することで合意した。日米などは既に備蓄の放出に乗り出しており、供給量を増やして価格高騰が見込まれる原油相場の抑制につなげたい考えだ。
会合に参加した萩生田光一経済産業相は終了後、記者団に「資源価格高騰、ロシアのウクライナ侵攻を受け、加盟国としてエネルギー市場安定化に一致団結して取り組んでいく必要性を共有し、協調放出で合意できた」と語った。
今回の決定では、6千万バレルのうち半分の3千万バレルを米国が請け負い、残りの3千万バレルを日本など他の加盟国で分担する。日本の分担量は今後詰める。
バイデン米政権は昨年11月、日本などと協調して数カ月間かけて石油備蓄を計5千万バレル放出すると発表。米国は12月から備蓄の放出を始めている。
それでも原油価格は高騰を続けている。1日のニューヨーク原油先物相場で、指標の米国産標準油種(WTI)の4月渡しは一時1バレル=102ドル台と2014年7月末以来、約7年7カ月ぶりの高値水準をつけた。需給逼迫(ひっぱく)への懸念が高まり、買い注文が膨らんだ。
IEAによる石油備蓄の協調放出は、1991年の湾岸戦争や2005年の米ハリケーン被害、11年のリビア情勢悪化の際にも行われている。
産経新聞より転用
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