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アメリカ、中国の貿易政策を非難 労働者に「深刻な損害」


© BBCニュース 提供

米通商代表部(USTR)は16日、中国の貿易政策が世界中の労働者や企業に「深刻な損害」を及ぼしているとして、同国を非難した。

USTRはこの日、中国が世界貿易機関(WTO)加盟の条件となった取り決めをどれくらい順守しているかについて、年次報告を発表した。

その中で、中国は繰り返し、貿易についての約束を果たさなかったとUSTRは批判した。

一方の中国は、WTOを強固に支持しており、自分たちはWTOに多大な貢献をしていると表明した。

重商主義が大きな損害もたらす

今回の報告は、キャサリン・タイUSTR代表がジョー・バイデン米大統領の指名で就任して、初めてとなる。

報告書には、中国の貿易政策をめぐるアメリカの懸念事項が列記されている。中国が「重要産業」に出している補助金、中国でビジネスをする外国企業が受けている規制、知的財産権に対する保護の欠如、などだ。

多くは長年、米政府や議会で指摘されてきた。

報告書はまた、「中国の国家主導、非市場の経済・通商手法は、時間と共に弱まるどころか強まっている。同国の重商主義は、アメリカの企業と労働者に、しばしば深刻な損害と不利益を及ぼしている」とした。

さらに、中国を相手にWTOに提起した27件の訴え全てで、アメリカは勝訴したと指摘。それにもかかわらず、「中国の意味ある改革は見られないままだ」と主張している。

米中の貿易戦争

アメリカと中国の貿易戦争は、ドナルド・トランプ前政権時代に始まった。結果として、世界の2大経済は現在、互いに相手からの輸入品の半分以上に関税や輸入税をかけている。

それでも両国の貿易は、新型コロナウイルス流行による苦境を経て、昨年は6574億ドル(約75兆8000億円)に急上昇した。2018年の過去最高を約15億ドル下回っただけだった。

トランプ前政権時代、米中は貿易交渉で「第1段階の合意」に至った。アメリカは関税の一部を減らし、中国はアメリカからの輸入を2017年の水準より2000億ドル増やすというものだった。

中国政府の報道官は、アメリカとの貿易は拡大しており、第1段階の合意はアメリカと他の国々に利益をもたらしていると述べた。また、いかなる行き違いも対話を通して対処し得るとした。

米ワシントンにあるピーターソン国際経済研究所のチャド・バウン氏は、第1段階の合意で定められた中国による米製品の輸入増は、全く実現されていないとの調査をまとめている。

バウン氏は、「米中通商関係がすぐにも改善される見込みはないが、悪化寸前という状況でもない。トランプ大統領と違ってバイデン政権は、貿易戦争の再燃や、巨額の新たな関税をちらつかせて脅すようなことはしていない」とBBCに話した。

BBCニュースより転用


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