自民が8役員の任期「最長3年」に制限 3月に党則改正へ
- 政治・経済
- 2022年2月17日
自民党改革実行本部は、16日会合を開き、総裁以外の役員任期を1期1年、連続3期までに制限する党則改革案を了承した。3月13日の自民党大会で改正、施行される予定だ。
「変われると示す党改革を」 首相指示
「どうせ自民党は変わらないと思っている世の中に対して、我々はしっかり変われるんだということを示す党改革を盛り上げて欲しい」
岸田首相は、4日に開かれた会合でこう述べ、議論の加速を促した。岸田首相は、2021年の自民党総裁選で、権力の集中や惰性を防ぐ観点から、総裁を除く役員の任期を「1期1年、連続3期まで」とすると表明。任期が5年以上に及んだ二階前幹事長への党内の不満を念頭に発信し、大きな注目を集めた。
改革実行本部の本部長である茂木幹事長は、党改革の目的として、多様な人材が様々な場面で活躍できるような党運営を目指すことなどの重要性を強調した。
改革案に記された4項目
16日の会合で示された改革案には、4つの項目が記されている。
1) 権力の集中と惰性をふせぐための役員任期制限
2) 党本部と市区町村議会議員を含めた党所属議員との連携を強化するための「地方議員センター」の設置
3) 地方組織との連携強化を図り、政務調査会や女性局・青年局の活動をより重視するための、全国政調会長会議・全国女性局長会議・全国青年局長会議を党則上に明記
4) 政党組織や党運営のあり方について、執行部・所属議員はじめ我が党が尊重し積極的に取り組むべき基本的指針「自民党ガバナンスコード」の策定
現行の党則は、総裁任期について「1期3年、連続3期(9年)まで」と規定し、幹事長や政調会長ら役員については「1期1年」として再任の制限を設けていない。
改革案には、役員任期について、「党の新陳代謝を不断に進め、権力の集中と惰性を防ぐ観点から、『1期1年、3期まで』とすべきではないか」と記されており、具体的には、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、国対委員長、選挙対策委員長、組織運動本部長、広報本部長の8つの役職が制限の対象となる方向だ。
新たな統治指針「自民党ガバナンスコード」策定へ
また、資金管理や人事などに関する統治指針「ガバナンスコード」の策定を党則に明記することも示された。茂木幹事長は「ガバナンスコードは、新しい時代を先取りして、自民党の組織としてやるべきこと、組織としてやるべきことを規定しているものだ」と位置づけた。
改革案のなかで、党ガバナンスコードは、「国民に対する透明性と説明責任を担保し、ガバナンスの根幹にある、国民の信頼を確保・増進していくためのものだ」と記されている。具体策については、今後、ワーキングチームで検討が進められる予定だ。
このほか、地方議員と党本部の連携を強化するための「地方議員センター」の設置が規定される予定で、地方の声を生かし政策に反映しやすくさせる狙いがある。
こうした党改革が実効性のあるものになるか、また国民の政治信頼回復に繋がるのか、その真価が問われる。
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