青学大、1年生コンビで往路圧勝!原監督は若林にご満悦「〝若の神〟という称号を与える」/箱根駅伝
- スポーツ
- 2022年1月3日
第98回東京箱根間往復大学駅伝往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=107・5キロ)1年生コンビで圧勝!! 昨年往路12位に沈んだ青学大が、5時間22分6秒で2年ぶり5度目の往路優勝を果たした。3区で太田蒼生(あおい、1年)が区間2位となって首位に上がると、山上りの5区で若林宏樹(1年)が区間3位の走りで逃げ切った。エントリーした16選手全員が1万メートルで28分台の自己ベストを持つ史上最強軍団が、3日の復路で2年ぶり6度目の総合優勝を狙う。
刺すような寒さとなった新春の箱根路。澄み切った空気の中、フレッシュグリーンが輝いた。山上りの5区に抜擢(ばってき)された1年生が大仕事。最後のカーブを曲がると、青学大の若林は右拳を握り締め、白い歯を見せた。
「頂上は風が強くて進まず、心が折れたが、つないでくれた4人の思いを背負ってゴールするんだという強い気持ちを持って走り切れた」
2位の東京国際大と1分37秒差でたすきをもらった。上りで後続との差を広げ、区間3位の好走。2位(帝京大)との差を2分37秒に広げてゴールテープを切った。青学大は区間賞こそなかったが、全5選手が区間順位1桁に入った。特に、3区で区間2位の快走でトップに立った太田と、5区若林の1年生コンビが光った。
若林にとって箱根の山は夢の舞台。憧れは14、15年度に5区を走り、青学大を総合優勝に導いた〝3代目山の神〟こと、神野大地(28)=セルソース。神野のように5区での活躍を夢見ていた京都・洛南高時代、原監督に「青学じゃないと山の神になっても意味がないよ」と声をかけられたという。「大きく衝撃を受けた。その言葉が決め手で入学を決めた」。
平坦(へいたん)な序盤の動きは鈍かったが、上りに入ると力みのないフォームで、すいすいと坂を駆け上った。昨夏の東京五輪男子マラソンで6位入賞した大迫傑ら近年、つま先から着地するフォアフット走法の選手が活躍する中、若林はかかとから着地する走り方が特徴。「足全体で上り切るのが強み。それが大きく生かせるのが山」と語る走法で箱根の山を攻略した。
原監督は「和歌山出身で若さあふれる走りで、〝若の神〟という称号を与えることができる。来年は〝4代目山の神〟を目指してほしい」とご満悦だ。
青学大はエントリーした16選手全員が1万メートルで28分台の自己ベストを持つ。2位・帝京大と2分37秒差、「2強」の一角で3位の駒大と3分28秒差。3日の復路も盤石の布陣で、補欠登録の19年度大会2区区間5位の岸本大紀(3年)、昨年11月の全日本5区区間賞の佐藤一世(2年)らが当日変更で投入される予定だ。「史上最強軍団」と層の厚さに自信を持つ原監督は「油断せず、攻めの走りで、(作戦名の)パワフル大作戦パート2、進行していきます」。青学大が復路も制し、17年以来5年ぶりの完全優勝へ突き進む。 (川並温美)
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