沖縄のアイス「ブルーシール」、本土へ続々 コロナ後見据え新戦略
- 政治・経済
- 2022年1月3日
沖縄で人気のアイス「ブルーシール」が関東や中部、近畿地方で出店を増やしている。コロナ禍で沖縄の観光需要回復が難しい中、販路を拡大する狙いもあるが、「沖縄への思い」を胸に、収束後も見据えて戦略を練っている。
名古屋駅前で特産品を扱う飲食店が並んだ地下街に昨年12月16日、ひときわ明るい店舗が開業した。あちこちに掲げられた青やオレンジ色のロゴも目を引く。
「ブルーシール名古屋駅エスカ店」。塩ちんすこう味やサトウキビ味など、沖縄でおなじみのアイス約30種類が並び、午後6時ごろには20人ほどの行列ができた。紅イモ味を注文した20代の男性は「なかなか食べる機会がない」と喜んでいた。
ブルーシールは沖縄を代表する味覚のひとつとして知られ、観光客にも人気だ。それだけにコロナ禍の影響は大きかった。2020年の沖縄への観光客は前年比63%減の373万人。アイスを製造・販売する「フォーモストブルーシール」(沖縄県浦添市)の20年12月期の売上高は18億円で前年より7億円も減った。山本隆二社長は「観光客に支えられていたことを実感した」。
新たに販路を拡大する必要に迫られ、本土への出店に力を入れた。19年までの出店先は県内中心だったが、コロナ禍の20年以降は県外に17店を出し、24店に増やした。県内の16店を上回る。
ただ、県外へのむやみな出店は避けた。「沖縄のアイス」との思いがあるからだ。そこで本土でフランチャイズ(FC)を募る際には「沖縄とブルーシールを愛する人」と条件をつけた。店舗運営部長の松村健司さんは「沖縄を感じて幸せになってもらう機会を増やしたい。そしてコロナ収束後には沖縄へ来てほしい」と説明する。
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