中には69連泊も HIS子会社のGoTo不正取引疑惑 1万8000泊分超か
- 政治・経済
- 2021年12月14日
政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」の補助金を不正に受給した疑いのある取引が旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社2社で見つかった問題で、実際には宿泊していないにもかかわらず、給付を申請していた件数が少なくとも延べ1万8000泊分以上ある可能性があることが政府関係者への取材で判明した。中には昨年10~12月に「69連泊」したことになっている人もいるという。
子会社は「ジャパンホリデートラベル」(大阪市)と「ミキ・ツーリスト」(東京都港区)の2社。いずれも宿泊実態がなく、補助の対象にならない取引が存在するという。
政府関係者によると、長期連泊したように見せかける手口は都内の複数のホテルで行われており、一部を除いて宿泊実態がなかった可能性がある。観光庁から「GoToトラベル」の事業執行を受託している事務局が、不正が疑われる案件について宿泊者100人以上にアンケートを送り、実態調査を進めている。
観光庁もGoToトラベルの事務局とともに架空の宿泊がなかったかを精査しており、最終的に不正受給と判断する件数は1万8000泊分から変動する可能性がある。
GoToトラベルは旅行需要を喚起することで新型コロナウイルス禍で壊滅的な打撃をうけた観光業を支援する狙いがあり、旅行者の宿泊料金の一部を補助する制度。税金を原資にした補助金を不正受給した疑いについて政府は重く捉えており、斉藤鉄夫国土交通相は10日の記者会見で「しかるべく対応する」と述べている。
HISは一連の問題を受け、社内に調査委員会を設置して実態把握を急いでおり、13日に予定していた2021年10月期の決算発表を延期した。
毎日新聞より転用
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