OPECプラス、現状維持を決定 オミクロン株の影響見極め
- 国際
- 2021年12月3日
米ペンシルベニア州のガソリンスタンドに表示されている価格表=2021年11月17日撮影、AP
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国でつくる「OPECプラス」は2日、来年1月の生産規模を巡る閣僚級会合を開き、協調減産の幅を日量40万バレル縮小すると決めた。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大による世界経済の減速懸念から、原油価格は下落傾向にあるが、当面、影響を見極める必要があると判断。毎月、日量40万バレルずつ生産規模を拡大する従来の方針を維持した。
OPECプラスは2020年5月、新型コロナの感染拡大による原油需要の急減を受け、過去最大規模となる日量970万バレルの協調減産を開始。ワクチン普及に伴い需要が回復してきたため、今年8月以降、段階的に生産を増やしている。
しかし需要増に追いつかず、原油価格の指標となる米国産標準油種(WTI)が10月下旬に一時1バレル=85ドル台と7年ぶりの高値を記録するなど、原油価格の高騰が世界的な問題になった。国内のインフレに悩むバイデン米政権が中心となり、日本や中国など主要消費国は11月下旬、各国の石油備蓄を協調放出すると表明。市場の反応は限定的だったが、その後、世界的なオミクロン株の感染拡大で、WTIは1バレル=65ドル前後に下落していた。
産油国の中には、消費国の備蓄放出に対する反発も広がっており、2日の会合の結果が注目されていた。当面の現状維持が決まったものの、原油価格が下落すると国家財政が揺らぐ産油国側は価格動向に神経をとがらせており、年明け以降、生産抑制など方針を転換する可能性もある。
毎日新聞より転用
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