ベラルーシ大統領が国境訪問 移民らのEU側への越境支援を約束
- 国際
- 2021年11月27日
ベラルーシのルカシェンコ大統領は26日、中東などからの移民や難民が寝泊まりするポーランド国境付近の物流センターを訪れ、「もし西側(欧州方面)に行きたいなら、我々は捕まえたり殴ったりはしない。あなたたちの自由だ」と述べ、欧州連合(EU)への越境を試みる移民らを後押しする考えを改めて示した。
タス通信などによると、ルカシェンコ氏は移民らに「あなたたちの意志に反して祖国に送り返すことはしない」と述べ、「ポーランド人らが嫌がることでも、望むことは全てしてあげよう」とも呼びかけた。移民らの越境を阻止するポーランドに対しては「(移民らは)ポーランドではなく、ドイツに向かっている。彼らを通してほしい。それで問題は解決する」と主張し、「今、問題を解決しないと、ここにものすごい数の移民らが殺到する」と欧州諸国をけん制した。
11月8日からベラルーシ西部フロドナ付近の国境地帯に集まった移民らは当初、テントなどで野営していたが、その後はベラルーシ当局が開放した物流センターに移動。食料などの支援を受けながら、少人数に分かれて越境の試みを続けている。ルカシェンコ政権は今後も移民らの動きを容認しながら、自国に制裁を科すEUに圧力をかけ続ける方針とみられる。
EUはルカシェンコ政権が組織的に移民らを送り込んでいるとみており、日本を含む主要7カ国(G7)の外相も18日の声明で「(ルカシェンコ政権が)冷酷な行動で人々の命を危険にさらしている」と非難。自国の市民への弾圧を続けるルカシェンコ政権が「自国民らの人権を軽視していることから関心をそらそうと試みている」と指摘した。
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