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ヤクルト・山田、神戸で決める 3点差の八回…“起死回生”の同点3ランも競り負けた


(SMBC日本シリーズ2021、ヤクルト5-6オリックス、ヤクルト3勝2敗、25日、東京D)ついに出た!! ヤクルトは3点ビハインドの八回に、山田哲人内野手(29)が今シリーズ1号となる同点3ラン。主将は2015年の日本シリーズで3本塁打を記録しており、通算4本は大杉勝男、池山隆寛と並んで球団最多となった。四回には村上宗隆内野手(21)が2号ソロを放ち、〝金メダルコンビ〟が初のアベック弾をマーク。チームは5-6で競り負けたが、第6戦以降も爆発の予感だ。

飛び跳ねる山田(背番号1)を村上も興奮気味に出迎えた。3、4番コンビがシリーズ初のアベック弾を記録した(撮影・長尾みなみ)© サンケイスポーツ 飛び跳ねる山田(背番号1)を村上も興奮気味に出迎えた。3、4番コンビがシリーズ初のアベック弾を記録した(撮影・長尾みなみ)

東京ドームのボルテージは最高潮に達した。2―5の八回無死一、二塁。敗色ムードが漂いはじめた場面で、山田のバットが火を吹いた。カウント3―1からヒギンスのチェンジアップを左翼席中段に突き刺した。

「自分的にはすごく振れていた。しっかりタイミングを取れましたし、イメージ通り、強い打球を打てたので良かったと思います」

冷静沈着の29歳には珍しく、ホームインすると飛び跳ねて喜んだ。チームの敗戦には悔しさ満点だったが、雰囲気を一掃した一発には納得の表情だった。

救援陣が崩れて、八回は3点のビハインドを背負った。しかし、1番から始まった攻撃で塩見、青木が連続四球でチャンスを演出。研ぎ澄まされた集中力を発揮した。

今シリーズ1号が飛び出すまでは17打数2安打(打率・118)で長打と打点がゼロ。「ちょっと読みが違うな、と。直球を待っていたら変化球が来るし、変化球を待てば直球がくる。ちょっと運がないのかなと思っていた」という。

ライナー性の打球が相手の正面を突くなど不運もあった。だが、歯車がかみ合えば、もう心配はない。キャプテンの一発にナイン全員がベンチから飛び出して喜びを爆発させた。日本シリーズでの通算4本塁打は大杉、池山と並んで球団最多となった。

四回には第2―4戦で1安打だった村上にも一発が飛び出した。東京五輪で金メダルを獲得したコンビが復調。スワローズが誇る主軸が息を吹き返し、第6戦が開催されるほっともっとフィールド神戸に乗り込む。

「また新たな気持ちで、神戸で戦うしかない。何とか勝てるように頑張ります。2試合しっかり守って、何とか相手より1点でも多く取って、粘り強い野球をしたい」と、山田は誓った。主将1年目。背番号「1」がチームを引っ張り、20年ぶりの日本一を達成する。(横山尚杜)

■ヤクルト・山田の日本シリーズ3打席連続本塁打VTR 2015年の日本シリーズでソフトバンクと対戦し、敵地で連敗。神宮に戻った第3戦に「3番・二塁」で先発した山田は一回、中田から先制の中越え2ランを放つと、三回に再び中田から一時勝ち越しの中越えソロ、五回には千賀から左翼席へ逆転2ランを運んだ。日本シリーズ史上初の1試合3本塁打を3打席連続で達成し、4打数3安打5打点。チームを8-4の勝利に導いた。しかし、第4、5戦で計8打数無安打に終わり、チームは1勝4敗で敗退した。

■データBOX

❶ヤクルトの3番・山田が今シリーズ初本塁打。シリーズでの本塁打は2015年第3戦(1試合3本)以来6年ぶり通算4本目。ヤクルトの選手で通算4本は最多タイで大杉勝男(1978年4本)、池山隆寛(92年2本、93、95年各1本)に次いで3人目。シリーズ通算最多本塁打は巨人・王貞治の29本。

❷21歳9カ月の4番・村上の本塁打は第1戦に次いで今シリーズ2本目。22歳未満の選手が1シリーズで2本塁打以上したのは57年の西鉄・和田博実(第5戦で2本、20歳7カ月)、88年の西武・清原和博(第1、4、5戦に各1本、21歳2カ月)に次いで33年ぶり3人目。セ・リーグ球団の選手では初めて。

❸シリーズでヤクルトの3、4番コンビのアベック弾は、78年第5戦の3番・若松勉-4番・大杉、15年第3戦の3番・山田-4番・畠山和洋に次いで6年ぶり3度目。

サンケイスポーツより転用


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