9年前の高2自殺、教委「教諭の叱責原因」 野球部監督「いらんわ」
岡山県立岡山操山(そうざん)高校(岡山市中区)で2012年、野球部マネジャーだった2年生の男子生徒(当時16)が自殺した問題で、県教育委員会は3日、両親と面談し、監督だった男性教諭の激しい叱責(しっせき)が自殺の原因と認めた。県教委が設置した第三者調査委員会は3月、教諭の指導が原因と結論づけた報告書を公表。県教委はその後、内容の精査などを進めていたとしている。
両親は説明を受けた後に会見を開き、県教委に対し「(第三者委報告を)なぞった内容にすぎない」「十分な説明にはほど遠い」と批判。「(謝罪を)受け入れるつもりはない」とし、背景などの説明をさらに求めたことを明らかにした。
報告書などによると、男子生徒は11年、選手として野球部に入部。12年春以降、教諭から「いらんわ。おまえなんか帰れ」と怒鳴られるなどして同年6月に退部した。翌月マネジャーとして復帰したが、その2日後に自殺した。
県教委は自殺直後の調査で、指導と自殺の因果関係は不明としていた。両親側が再調査を求め、17年になって第三者委の設置を決定。県教委はこの日の面談で指導と自殺の因果関係を認めたうえで、第三者委が学校や県教委について「調査が不十分」と批判した点などについては「(組織の)保身のためだった」「遺族の心情に寄り添っていなかった」などと説明したという。
鍵本芳明教育長は報道陣に「対応が不十分だった。遺族には9年間にわたり、心労をおかけした」と述べた。今後、関係者の処分や再発防止策を検討するという。
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両親は会見で「県教委が自発的に検証した印象は無い。体質は変わっていない」と批判。一方で、「教諭のハラスメントや、組織としての保身を認めたことで、やっと我々の認識に近づいてきていると感じる。息子は戻ってこないが、判明した事実を1点も無くすことなく岡山の教育に生かしていただけたら」と話した。
朝日新聞社より転用
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